OrganWorks『168428_4/Nothing/無為』をコンカリーニョで。

『聖獣〜Live with a sun〜』(2017)、『HOMO』(2020)に続くカンパニー三部作の最終作とのことで、

個人的に2020年3月頭の『HOMO』を東京まで観に行く予定だったのが、ちょうど北海道でコロナによる最初の緊急事態宣言が出たり、東京での他の用事が軒並み中止になったりで、いろいろ考えて泣く泣くキャンセルした経緯もあり

最終作をまず札幌で発表してくれたこと、めちゃ嬉しかったし、ありがたかったです。

(以降のコロナ禍な2020〜2021年は、カンパニーのLIVE配信「Spread on Air 」もよく観ていた。)

『168428_4/Nothing/無為』。

観劇後に興奮してツイートしたのがこちら。

「無」の中でも、「そこに以前人がいた」と認識したときに感じる「無」だったり、確実さを願うときの「無」だったりが、恐怖や焦燥の源泉になるタイプの「無」だと思うのだけど、

コンタクトのようなダンスって、確実さをお互いの身体に感じれないと成立しないと同時に、その瞬間から次の動きへと形を変えて決して固定しないものだから、

そういうことを願ってしまう人間のありようとその先を描くのに、とても向いているんだろうな。

あと自分は山暮らしで、夜の山の、月明かりがないとマジで真っ暗闇で、しかし何かの気配に満ちている状態は、たとえ裏庭でもいまだに恐怖を感じるので、暗闇のシーンの雰囲気は結構わかるものがありました。

反面、日中の山にいるときの、自分の感覚が鋭敏になる感じ(四方から聴こえて来る音とか、何かの動きにサッと目がいく感じとか)を、(上のツイートの耳福と表現したのがそれなのだけど)本作の音響でも体験できたのが楽しかったな〜。

あとはー

舞台の端で飄々と、「神の目」的にダンサーにスポットライトを当てる(そしてその様子を観察しているような)存在は、なんとなく現代におけるバイオテクノロジストっぽいなとも思った次第。

帰り道に思ったことなのだけど、

もちろん遠出して観てガツンと衝撃を受けた作品も多々あるけれど、札幌住まいの自分はCONTE-SAPPORO Dance Centerの森嶋さんや、OrganWorksのダンサーでもある東海林さん、そして主宰の平原さんといった人たちの周辺の進化や深化から、自分の「ダンスを観る楽しさ」を更新してきた感があるな、と。

CONTE-SAPPORO関連も含めると結構な量になるので、とりあえず平原さん関連に絞ってブログをサラッと振り返っても、

2011年『Ponctual people』、2012年東海林さんと平原さんの『境界』瞬project『SEVEN』、2015年Carmen Werner『Tell me』北海道コンテンポラリーダンスエキシビション、Organ Works『TSURA』、2016年field note公演『Room Service』、2017年瞬project presents Tatiana Chorot × Organ Works、2018年OrganWorks『語る町』

といった感じで、ホント上記の三者には感謝しかない…。

首都圏のように毎週浴びるようにダンス作品を観ることのできる環境もいいなあと思うけど、地方住まいは地方住まいならではの、そこで活動する人たちと共に観る側もアップデートしていける喜びというのも確実にある。

ここ数年は(特にお山に生活の拠点を移してからは)あまりダンス作品を観れていないのだけれども、これからも年に一度とか、興奮するような作品に札幌で出会えると良いな。

あ、そして『168428_4/Nothing/無為』は二日目の夜公演のあとに急遽アフタートークが開催されることになって、自分は初日に観ていたのでトークは聞けなかったのだけど、後日トークはYoutubeなどで配信する予定だそうです。

それも楽しみだ。

(編)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA