原口侑子『世界裁判放浪記』読了。

上のリンク先より紹介文を引用すると

とある法律事務所に勤めていた弁護士は、あるとき世界各国放浪の旅にでる。目的の1つは裁判傍聴。訪れる先々で法廷へおもむき、傍聴したその国は30カ国。
各地で出会う魅力的な人々や文化、そして緊張感ただよう法廷内外の様子、はたまた裁く者や裁かれる者たちの人間模様などなどを、ときに弁護士、ときには旅人の視点でみずみずしく描く。
番外編として東京地方裁判所の裁判員裁判「覚せい剤密輸事件」をおった迫真のルポも収録。

というもの。

裁判は原則として誰でも見ること(傍聴)ができる、ということは知っていたけど、「外国でもできるんだ!」というのが目から鱗。(本書によると、国によっては外国人には公開していないところもあった)

もちろん現地の言葉で行われるので、傍聴してもそのやり取りは著者にもわからないのだけど、そこはその場にいる弁護士や英語の話せる人に質問したりして、どんな裁判なのかということは把握しつつ、もっぱら裁判官をスケッチしたり。

そういったふんわり掴んだ印象が、旅先でのエピソードと一緒に綴られる一冊。

ハワイでは23言語の法廷通訳がつくんだなー、とか、マラウイでは青空の下で行われる裁判と生活が地続きなんだなー、とか

ブラジルでは裁判中継があって、めちゃ裁判が身近なものなんだなーとか

FAXをいまだに使ってる日本と違って他の国ではデジタル化が進んでいたりとか、

サモアでは裁判官も法服にビーチサンダルだったりとか、

いろいろ新鮮だった…。

日本でも陪審裁判が行われていた時代があったことも初めて知りました。

地味に著者のバックパック一人旅っぷりもすごい。

それはそうと話は変わってちょっと思ったのですけど、図書館で借りると返却期限があるため、集中して一気に読むぞというインセンティブが働いて、ちゃんと読み終えることができるのはいいかもしれない。

一冊読んでる側から別な本に手を出しがち、結果積ん読が増えがちな自分には、案外借りるというのもいいのかも。

(編)

 

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