外出時は欠かさず持ち歩いている、藤井一至『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』

上の出版元のヤマケイ新書のページから、引用すると

「生き物たちの不思議な行動は、元を辿れば土に原因がある。(中略)
いったい、どのようにして、生き物たちは土との付き合い方を身につけたのだろうか?
ヒトはなぜ土を耕し、さまざまな農業を発達させたのか?
ひとつの手掛かりは、生き物はみな元をたどれば栄養分を「土」から獲得している、という原則である。
土に栄養分と居場所を求めて、植物も動物も独自の生き方を発達させてきた。」(「まえがき」より)

生命の進化・絶滅から、生き物たちの共生関係、そして農業という人の営みや戦争の原因まで。
「土」から考えてみれば、そういうことだったのか! と納得できることがたくさんあります。
本書では、土壌学者である著者が世界中を飛び回って見てきた土を訪ねながら、5億年の歩みを辿ります。

もう抜群に面白くて、少し読んではまた戻って読み返して〜とやっていてなかなか進まず、先日やっと終わりにたどり着いたのだけど、またここから二巡三巡と読み返して、最終的に書かれてること全部暗記したい。

それくらい自分的ヒットの一冊。すごいな!著者!

視点がとにかく「土の科学」からぶれないので、例えば有機農業と農薬や化学肥料を使う慣行農法といった、一方が他方を語るときに否定的になりがちトピックでも、個々の土の性質をふまえた最善策と暮らしの持続性の両立というところで語ってくれるので、めちゃ信頼できる。

そして土を知り尽くしているが故に、「土と生き物のせめぎ合い」が生き生きと描かれ、さらに随所に顔を出す笑える記述…!筆が乗ってる感…!

すごいな!著者!

土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』も買わねば。

これホントにおすすめなので、皆様もぜひ読んでみてください。

(編)

 

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