読んだ本。

ファン・ジョンウン『年年歳歳』

読まずにいられない作家、ファン・ジョンウン。今作もめちゃ良かったです…。

イ・スンイルが生まれた1946年と生まれた場所(朝鮮半島のほぼ中央に位置する村)を通して、日本から解放された直後の様子、1950年に始まった朝鮮戦争の戦況によって三十八度線近くの地域は南北どちらの支配も受けて翻弄されたこと、そして現在でもその地域の多くの土地が軍用地で、墓参りするのにも軍の許可が必要なこと。

を知り。

イ・スンイルの二人の娘(ハン・ヨンジンとハン・セジン)も出てくるのだけど、イ・スンイル含め彼女たちの語りには「家族には話さなかったこと」があふれている。

そうして読み進めて、

訳者あとがきには、本書を執筆する過程でその時期を生き抜いた女性二人にインタビューをしたことが紹介されており、

そのどちらも朝鮮戦争前後のことがうまく言葉にならず、「自分が今までこの話を他人にしたことがなかった」という事実に本人たちが気付かされた、と。

「家族が家族に言わなかったことをつないでいくと、社会や歴史が個人にかけている、見えない巨大な圧力の形がわかってくる。」という訳者の言葉を見たときに、胸を突かれました。

それは、自分にとってもそうだから。

ファン・ジョンウンは『目の眩んだ者たちの国家』に収録されていた「かろうじて、人間」で知り、『韓国文学ガイドブック』でもオススメされていた『ディディの傘』が自分の読んだ二冊目。

三冊目が本書です。

『続けてみます』もそのうち読んでみたい。

お次は、

ZINE『反「女性差別カルチャー」読本』。

女性差別的発言、誹謗中傷、攻撃、からかいなど、SNSやメディア、リアルの生活において女性差別を「ネタ」として扱う、いうなれば「女性差別カルチャー」はなぜなくならないのか。この問題について研究、メディア、書店など多様な立場の執筆者たちがさまざまな形で考察した、読み応えある論考集

現状認識でドンヨリしたけれども、北村紗衣さんの「うぬぼれ屋さん、この文章もたぶん自分のことだと思ってるんでしょ?」は、ちょっと弱ったときに何度でも読みたい文章。

(なんでそう思ったかというと、このブログを書くのに改めて読んだら、自分の知らぬうちに弱っていた心のどこかをスッと支えてくれるような彼女の文章に思わず涙ぐんでしまったから。)

ちなみに私は、マルジナリア書店から購入しました。

今読んでいるのはこちら。

少しずつ読み進めてます。

(編)

 

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