NTLive『ライフ・オブ・パイ』をシネフロで。

戦火の馬』に続いて、素晴らしい人形の操演。に加えて舞台機構もすごくて、初めてボートが出現する瞬間とか、どこからこのボート現れた?とびっくりしてしまった。

船のデッキを洗う波の映像も臨場感ありありで、いやーすごいな。

そして、パイが「二通り話したけど」と話すシーンとか、人が物語るということについて、ズシッと重かったです。

人があまりに壮絶で悲惨な現実に晒された際に、その解釈の仕方にフィクショナルな要素が強くなることで心が守られる。物語りには、そおいう一面もある。

その重みに打たれたのでした。

BBCのWorld Book Clubで、ヤン・マーテル氏に本作についてインタビューしてる回を見つけて聞いてみたら、最初はトラじゃなくてインドゾウで考えていたのですね。

事実の解釈の仕方は人によって異なり、その人にとっての解釈は一つの真実であり、その意味でフィクションは真実だと。

ちょうど本作を観た後に読み始めたカロリン・エムケ『なぜならそれは言葉にできるから』では、

証人が極限体験をどう描写するかという点について語られていて、それがパイにとってのトラのようで、思いがけずリンク。いろいろ重ねながら読み進めているところです。(でも内容は重い…)

シネフロでのNTLiveはこのあと、『フリーバッグ』『かもめ』『るつぼ』と続きます。全部観れるといいけど。

(編)

 

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