ウクライナーによる『美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然』を読みました。

リンク先、日経ナショナルジオグラフィックの本書紹介ページからいくつか引用すると、まず著者のウクライナーとは

ウクライナの「人と場所の物語」をウクライナ人自身が知り、世界にも伝えることを目的として2016年に発足。ウクライナとはどんな国か、ウクライナ人とは何なのかを問い、ウクライナの有名な観光地から小さな無名の村までをくまなく探検している。とりわけ、これまで注目されてこなかった地域や文化の再発見に取り組む。600人以上のボランティアが参加し、ウクライナ語、英語、日本語等を含む12の言語でウェブ上の発信を続けている。

とのことで、私が本書を知ったきっかけは、ウクライナーボランティアであり本書の監修もされている方のこのツイートでした。

※ウクライナーの日本語ページはこちら

ウクライナ西部、北部、東部、南部の各地方ごとに、歴史、伝統工芸、自然、生業、新しい取り組みなどが紹介されていて、とても印象的でした。

進攻以前にウクライナのことに触れる機会がほとんどなかった自分にとって、ウクライナのイメージは進攻後のニュースで流れるものが大半を占めており、(あとセルゲイ・ロズニツァ監督による『ドンバス』も。)

例えばそれは、破壊された建物や故郷から避難せざるを得なかった人たち、大切な人を失った人の悲しみの表情、といったものばかりで。

でも本書では、そうじゃないウクライナが紹介されている。

ウクライナに限らず、国際ニュースになるときって大災害とか紛争勃発時がほとんどで、海外に日本のニュースが流れるのもやはり災害時などのときに少しだけ、流れる映像も壊滅的な現地や避難所等の困難な様子とかなのだろうな、と思う。

でも、もちろんその現地にも災害前の平和な暮らしや、現地以外の日本の津々浦々の暮らしというものはあるわけで。

その暮らしが見えて初めて、そこに生きている人たちが「何を奪われ」「何を捨てざるを得ず」「何を守ろうとしているのか」がストンと入ってくる。

今回はウクライナーによるウクライナの「愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然」だったけれど、

世界中のあらゆる「国際ニュースになるような」土地に、「愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然」は存在している(もしかしたら過去形に近づいている場所もあるかもしれない)のだ、ということにハッとしました。

そんなの、考えてみれば当たり前のことなのに。

本書の売上の一部はウクライナの支援のために寄付されるそうで、きちんと買い直して手元に置いておこうと思った次第。

ナショジオ日本版の6月号でもウクライナの特集を二つ掲載しているみたいなので、せっかくだからそちらも読んでみようかな。

あ、話戻り、

本書で初めて知ったのは、森の中にある野生のミツバチの巣から蜂蜜を採取する森林養蜂という伝統的技術のこと。

ちょっと検索してみたら、インドネシアにも同様の養蜂スタイルがあるみたいで。へー。へー。養蜂は巣箱だけじゃないんですねえ。

個人的にはリヴィウとか、いつか行ってみたいなあ。

そのためにも!!!

理不尽な進攻が終わり、奪われた土地を奪還し、人々の傷が少しでも癒えて、脅かされることのない暮らしがまたウクライナの人たちに戻りますように。

(編)

 

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