今週は配信で1日1作品ずつ。
8/2(月):Noismの映像舞踊『BOLERO 2020』
上のリンク先から1週間レンタルで200円。画面の間を人が移動する演出って、何度か別作品でも見ているけど、未だに面白く感じる(脳がうまく処理できない)な。
Noismと言えば、せっかくの札幌公演を見送ってしまった身ですが…ダンスを生で見たい!という欲求は少しお休み中。
8/3(火):劇団チョコレートケーキ『一九一一年』
配信ページはこちら。
『遺産』、『帰還不能点』に続いて、私のチョコ3作目。組織に所属していたら、生活を守るためには、どんな内容でも上の指示には従わざるを得ない。と、振られた「仕事」を淡々と着々とこなす人には、正義を振りかざし、疑問をぶつけてくる人が鬱陶しい。
しかし、組織に所属し「仕事」をこなしながらも、ただ従うだけではない別の道を模索する勇気を持つことも、また可能なのだ。
という点を見せてくれたのが良かった。結果は、そう簡単に変わらないけど。
感染者数の増加と医療逼迫の中での五輪強行の陰にも、外には現れてこないけど、本作のような葛藤の場面はあったのだろうか。それとも、皆「仕事だから」と、大きな決定には抗わず進めたのだろうか。
その物語は、いつか私たちに届くのかな。どうでしょう。
8/4(水):グザヴィエ・ドラン監督『マティアス&マキシム』
友情が内包していた愛情を突然意識してしまったことで、戸惑い、ぎくしゃくしてしまうマティアスとマキシムが、ほとんど泣きそうな感じで再びお互いに触れる場面に悶えた。
なんと美しい映画や…。
これからゆっくりと、自分たちなりの関係性をつくっていくであろう予感を感じさせるラストも良かったな。
あと、自分が前進しているときは全く気にならないのに、相手が自分の道を進み始めると、途端にずっと先へ行ってしまうような感じがして寂しくなるものですよね。人が成長しようとするときの、もう一方の相手の置いていかれるような心持ちの話でもあるなと思った次第。
8/5(木):ルカ・グァダニーノ監督『君の名前で僕を呼んで』
前日に見た『マティアス&マキシム』のインタビューで、グザヴィエ・ドランがこの映画を見て『マティアス&マキシム』をつくろうと思った、という文を読んで、早速。
オリヴァーの帰国後、痛みに向き合うエリオ(ティモシー・シャラメ)の表情に、そりゃ賞もとるよ…としみじみ。北イタリアの避暑地で、美しい古い屋敷と庭でまったり過ごす夏の時間にも久々に画面で触れ、自分のモードもすっかりそんな感じになってます。
木々と陽光、ショートパンツ、フルーツ、本、裸足、昼寝。サントラも素敵だったな〜。
主演二人のインタビューも良いです。
8/6(金):グレタ・ガーウィグ監督『ストーリー・オブ・マイライフ』
ティモシー・シャラメつながりで、こちらもようやく。
物語って、規範に抗いながら野心や目標を追求する女性と、規範を受け入れて男性に寄り添う女性が同時に描かれる場合、大抵前者に冷酷で、後者に優しい。と思いません?
まあ、古典だから仕方ないと思いつつ、なんか妙に堪えてしまった…。現代に生きていて良かった…。
8/7(土):マット・ロス監督『はじまりへの旅』
これはなかなか…。親の思想やこだわりを、どこまで子どもとの暮らしに反映させるのか、みたいな話。自分がよくないと思うものでも、ある程度放任で経験させるようにすべきか、とか。
自分の世界が外とズレてると意識させられたときの、子どもサイドの反応、の話でもある。
私自身、本や空想の世界や自分だけの感覚をそのまま現実に持ち込んでしまうようなところが(大人になった今ですら)あって、本作で長男が痛い感じになったような「え、何あいつ」的な扱いはわりかしあったなーと思い起こしたりもするのですが、
そこは生来の情感的な欠陥(あるいは非常識な思考パターン)のおかげで、全く痛みを感じずにここまで来てしまったところがあり、本作でも長男以外の子どもは案外マイペースに外の世界とやんわり混じりながら、Captain Fantastic(←原題)のマインドを自分なりに受け継いで生きていくんじゃないかなと思った次第。
親が新興宗教にハマって子どもに強制とか、そういうこともぼんやり頭に浮かべてしまったなあ。外と隔絶した環境に閉じ込められるのって、子どもは自ら選べないから、厳しいなあ。
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