8/9(月):こまつ座『母と暮せば』
「舞台『父と暮せば』(井上ひさし作)、『木の上の軍隊』(井上ひさし原案 蓬莱竜太作)と並ぶ、 こまつ座「戦後“命”の三部作」第三弾」とのことで、畑澤聖悟作。
息子・浩二を演じた松下洸平さんへのインタビューがあって、先に読んでいたのですが
台本には、「熱か 熱か 熱か 熱か 熱か」と、20個ぐらいかな。ただただ、その2文字が羅列していて、最後に「……」と。それをどう表現するか。
という部分が印象的で。鑑賞後また読み直して、ああ、とても大切な作品だったな…と。
そして、誠実な舞台作品の力もすごいけれど、ご本人の肉声が持つ力もすごいものがある。被爆者代表の岡信子さんの「平和への誓い」(後半9:27頃から)
を聞きながら、この言葉に向き合えない日本政府を虚しく感じてしまいました…。
8/10(火):A-hoj!2021の海外人形劇7カ国9作品の配信がスタート。なんてありがたい企画!!!(しかも1作品1000円、全作品鑑賞5000円という破格の視聴チケット。視聴期間は8/24まで。)
まずは長めのものから見ていくかー、とラディム・ヴィズヴァーリ(チェコ)の『ソロ』。
「現代マイムトップランナーの技術と芸術性を存分に味わうオムニバス」とあるように、もう凄くて、最後奇声をあげて拍手しました…PCの前で。
いやー、これはぜひ見てほしい〜
8/11(水):A-hoj!2作目はアリエル・ドロン(イスラエル)『プラスティック・ヒーロー』
「ヨーロッパ中の人形劇フェスティバルで、現代オブジェクトシアターの新側面を切り拓いたと絶賛された」本作。企画者の方の作品紹介コメントで
③アリエル・ドロンの「プラスチック・ヒーロー」。イスラエルのかなり若い人形遣いなんだけど、欧州人形劇界では超有名人。そもそも技術が凄く、モノとの徹底的な手の対話から、目を背けたくなるような痛烈な政治戦争風刺作品を生み出す。でも抱腹絶倒。チョン・ワンに「お前は天才だ!」といわしめた
— Doppelzimmer (@Doppelzimmer_) August 9, 2021
と解説されていて、「モノとの徹底的な手の対話」という言葉が印象的。
世界にはまだまだヘンテコで鋭い作品を作る人がいて、いつかそういう作品にどこかで出会えるかもしれないと思うと、明日からまた頑張ろうというやる気が湧くな〜。
8/12(木):日中、A-hoj!からプーク人形劇場での上演ライブ配信をチェック。見たのは、糸あやつり人形劇団みのむし 『岩見重太郎〜狒々退治の段』です。
みのむし、やまびこ座で初めて観て以来、好きな劇団。
夜はちょっと趣向を変えて、サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』を。
イギリス兵役のジョージ・マッケイが300mを駆け抜けるシーン、本当に素晴らしいシーンで…涙。彼のインタビューを見たら、兵士がぶつかってきたのは想定外だったのだそうな。でも「美しい間違い」ってホントそうだ。
(ちなみに、つい先週見た『はじまりへの旅』で、ジョージ・マッケイは身体能力と知力共に優れつつちょっと痛い長男役だっただけに、本作での立派な兵士役を親戚の叔母的な気持ちで眺めてしまった。)
そして、朝の森でジョシュ・スロビックの歌うさすらいの旅人が沁みた。
8/13(金):A-hoj!3作目は、ヴェロニカ・ゴンザレス(アルゼンチン)『小さな足の劇場』。
「驚異の足使い人形」がとんでもなく、口を開けて観てしまいました。いや、本当にぜひ上のPVを見てほしいのですが、1:33頃から始まる路上で物乞いをする男性と犬の話とか、すごくないです?
こんなに両足と両手を動かしまくってるにもかかわらず、全く身体がブレないのも地味にすごい。体幹?腹筋?の力でしょうか。
8/14(土):日中は『スポンジ・ボブ ミュージカル』をアマプラのライブ配信チャンネル「nickelodeon」で。
※今日15日の18:30からも配信あり。
天災や人災による怒りや不信の波が絶えず打ち寄せる現代社会で、それでも子どもに対して大切なことを直球で伝えようとする、そのメッセージが、大人の自分の琴線にも触れまくりで、無茶苦茶良かったです… 涙。
アナログなモノを使って、見ている人の想像力をどんどん引き出していくような演出も素敵。これは人形劇にも通じるところなのですが、私が舞台作品に惹かれるのは、コンピューター上の編集ができない「アナログ」という制限の中で、「こんな方法があるんだ!」という魔法を使う人たちと出会えるから、というのも大きい。
人間の身体とモノは、まだまだ未知の付き合い方ができる。と思えるって、観客にとっても探検気分を味わえて良い。
夜はA-hoj!4作目。ドラーク劇場(チェコ)『ジョルジュ・メリエス氏の最後のトリック』。
シャレとりますなー。音楽も好き。
ということで、今週分はここまで。残りの5作品は来週見るぞ〜。
あ、人形劇と言いながら人形の出てこない作品があるように、そういう潮流も感じられるラインナップなのも嬉しいところであります。
(この辺はやまびこ座の東欧ツアーに付いていったときに、ポーランドの人形劇フェスで感じた。)皆様もぜひ!A-hoj!を見逃すのはもったいない!
それにしても
国内外のどこかで上演された舞台作品を配信のおかげで見ることができて、私は本当に救われていると思います。
時折笑い声とか後ろ頭の影とかで、劇場で見ている人の存在も感じられるのですが、思いの外それも自分を安心させてくれる要素だと、最近思った次第。
そこに自分も連なった感覚があるのかもしれないな〜。
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