キム・ソンス監督『ソウルの春』をサツゲキで観てきました。

徐台教(ソ・テギョ)氏のニュースレター『新・アリランの歌』で昨年秋に紹介されて以来、日本公開を楽しみにしていた本作。

もう、「凄い…」としか出てこない…。韓国は凄いものを映画として出してきますね…。

元となっている「12.12軍事反乱」のことは詳しくないのですが、GLOBEに掲載された崔盛旭氏のコラムを読むと、かなり(というかラスト以外)史実通りなことがわかって驚愕!

そして、最後に触れられている「クーデターに敗れた「鎮圧軍」のその後」が必読というか。映画では描かれていないのですが、権力が移行するたびに敵対勢力が粛清される歴史を鑑みるに気になっていた部分で。

民主化してから「12・12軍事反乱の真相究明と鎮圧軍の名誉回復に尽力した」「反乱軍厳罰と反乱の被害者たちの支援に力を注いだ」という記述に胸が熱くなるな…。生きのびたことは本当に幸運で、中には変死体で発見された人もおり、辛い…。

全斗煥は光州事件のときに一般市民を虐殺するのだけど、その片鱗(市民が巻き添えになることに無関心な雰囲気)が本作のラスト近くでも現れていたり。

何となく、「聞いてくれたまえ。これは、全斗煥将軍が国を統べていた時代の話だ」から始まる、イ・ギホ『舎弟たちの世界史』のことも思い出していました。映画でも結構伝わってくる舎弟マインド…。辛い…。

あと、コラムで韓国の現代史を扱った映画として紹介されているものの中では、『タクシー運転手~約束は海を越えて~』(チャン・フン監督、2017)、『1987、ある闘いの真実』(チャン・ジュナン監督、2017)を観たことがあるのだけど、俄然『キングメーカー 大統領を作った男』(ピョン・ソンヒョン監督、2021)、『KCIA 南山の部長たち』(ウ・ミンホ監督、2020)、『弁護人』(ヤン・ウソク監督、2013年)も観たくなりました。

『ソウルの春』、おすすめ!

(編)

 

 

 

 

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