GWに観た演劇。まずはカタリナスタジオプロデュース 前衛零度『無為な疑問』。
前衛零度とは、本作の作・演出をされている小佐部さんによる「脱物語の作品をつくるための企画」とのことで、本人ツイートの「ヘンテコな舞台をやるぞ!」という言葉に惹かれて、いざ。
意味や物語に結びつく一歩手前の出来事が続く50分という感じで、わりと笑いながら観てしまった。
劇中で「死ぬことには意味がある」や、他は忘れてしまったけれど「〜には意味がある」が繰り返されるのだけど、「意味がある」とみなされるものが結構不思議で、この価値観はどこから来てるんだろ?と思いつつ。
あとは最後の「無為ー!」に対する満足気な頷きが大層良かったです。ボレロをバックに展開した行進の交差と、タンポポに直撃したの100円玉だったのか〜、ってところも個人的に好きでした。
お次はポケット企画『さるヒト、いるヒト、くる』。
過去に起きたことと現在起こっていること、その全てに「距離」があると感じるとき、自分はどのような態度を持ちうるのか?ということに対して、
明確な答えが出ていないということを「誠実な曖昧さ」で言葉にしたような作品。
「知ること」だけでは足りなくて、小説や映画、ときには演劇など芸術の力を借りて「想像力」で距離を縮めようとしつつ、
その限界や、増していく複雑さを前にわからなくなることを繰り返す身として不意に強く心に飛び込んでくる言葉があり、それを受け止めるためには、あの長めの暗転が本当に必要だった…と感じた次第。(観ていない人には何のこっちゃかと思いますが)
最後、ああいう空間(時間)が立ち現れるのを目撃することが自分的に舞台芸術作品を観る楽しみの一つなので、テンションが上がりました。
続いて、同時上演の演劇集団シベリア基地『よすがら』。
自分の年齢的にどストライクで、ホント終活として遺言書作成必須でしょ、みたいな。
性役割規範丸出しの長男は、頭をグウで叩きたく(殴りたく?)なりました。遺産は長年の介護を一身に担った長女に全部あげたい。
最後に長女がつぶやいた「アホくさ」が、とても大事だったなあ。
旭川の劇団で初見でしたが、とても好きな感じだったので、札幌で本公演をする機会があったら絶対観に行きたい。
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