先日はシアターキノで『ビヨンド・ユートピア 脱北』を。

有料会員登録しているニュースレター『新・アリランの歌』でもお勧めされていた本作。

↑こちらはその回ではないけど、全文読めるのでぜひ。冒頭のコラムがとても良かったです。

ニュースレターの本作を紹介するパートには

韓国には23年9月末現在まで、約3万4000人の脱北者が入国している。北朝鮮の人口を約2500万人と考えると0.15%程度となる。10000人に15人が韓国に来ている計算だ。
 どうだろう、今あなたは「この数が多いのか少ないのか」を考えてはいなかったか。そんな発想はきつい言い方になるが、脱北を理解できていない証左かもしれない。「そこには3万4000の生命と未来をかけた瞬間があった」と受け止めるべきではないかと、本作を観た今、改めて思っている。

という文章があって、グサッと。

日本に暮らしていて一番想像しづらいのって、難民申請している人たちの「生命と未来をかけた瞬間」という部分なんじゃないかなあ。だから簡単に強制送還と言えてしまうというか…。

本作は再現映像を一切使用しておらず、それは50人以上のブローカーが協力したことで実現したようですが、劇中語られるように「ブローカーは脱北者を金づるとしか見ていない」現実もある。

それでもキム・ソンウン牧師のように、旅に途中から同伴してくれたり、ブローカーと密にやり取りしてくれたりする人がいるのはまだマシなケースで(とはいえ死や拘束のリスクと隣り合わせな道中ではあるけれど)、アフリカや中東からヨーロッパを目指す難民にはそんな保護者もおらず、さらに過酷な道中が待っている。

※パトリック・キングズレー『シリア難民』についてのブログはこちら

もう一つ、本作の生々しさは、まさに北朝鮮から脱出したばかりの80代の祖母や子どもたちが口にする金正恩を尊敬するような回答や、鬼畜と教わってきたアメリカ人スタッフへの戸惑いで。

北朝鮮で生きるというのは、本当に凄まじい…。

そおいう国と元々は一つの国であり、現在は停戦状態で、統一は可能なのか不可能なのかを常に問われ続ける韓国の人たちの、「今の考え方」の一端を知ることができる『新・アリランの歌』は本当に重宝しています。

あ、全然話は変わりますが

本作にも食事の場面が出てきて、韓国の映画等でご飯が映ると毎回どれもおいしそうで、鑑賞後は韓国料理を食べたくなるんですよねー。なので、この日のランチは韓国料理のお店でビビンバをいただいた次第。

夕方からは【喜界島珊瑚礁科学研究所×青年団】演劇ワークインプログレス発表なるものを遠友学舎で。

「サンゴの骨格に刻まれた過去の様々な記憶(環境)を自然科学の最先端の手法を用いて高時間解像度で復元し、ヒトに内包された記憶と併せるために、演劇による現象学的還元を試みる」演劇ワークインプログレス第2期発表会とのことで、面白い体験でした。

これはまたどこかで、進化したバージョンを観る機会があるのかな?

(編)

 

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