2024年の映画初めは、ケリー・ライカート監督『ファースト・カウ』をシアターキノで。

小屋好きとしては、中国系移民のキング・ルーの小屋での生活の様子に「いい暮らししてるな〜」と。最後に二人が横になるとき、「あああ、そこで〜」ってなりますよね絶対。

鑑賞後にTURNのレビューを発見して興味深く読んだのですが、ここに

かつて、ライカートは、本作と同じ時代の西部を舞台にした『ミークス・カットオフ』(2010年)を制作。女性の視線で辺境を旅する入植者たちの暮らしを描くことで、西部劇の男性的なロマティシズムを解体/再構築した。

という記述があり、俄然『ミークス・カットオフ』にも興味がわいたもので、本日配信で拝見。

本作についてはこちらのレビューを「なるほどなー」と読みつつ。当時の女性たちが密かに綴った日記をもとにした話とのことで、『ファースト・カウ』とセットで観るの、おすすめ。

本作はなかなかにストイックで、とにかくひたすら歩くだけの映画と言ってもいい気がするのですが、極め付けが無茶苦茶宙吊り感のあるエンディング。思わず「おおう…」と声が出ました…やるな!

これまで西部開拓時代を扱った作品で描かれてきた男らしさとは一線を画す『ファースト・カウ』の穏やかさや繊細さと、ないものにされてきた、あるいは最後には所詮組み敷かれてしまうような型にはまった女性の強さではない強さを、普通に見せてくれる『ミークス・カットオフ』。

2作品とも、とても気に入りました。ケリー・ライカート、良いな〜。

まことに良い映画初めでありました。

(編)

 

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