クリエイティブスタジオ シネマシリーズ6「映画へと導く映画」へ。

ゲストは岨手由貴子監督で、上映作品はアニエス・ヴァルダ監督『冬の旅』と

沖田修一監督『おーい!どんちゃん』

トークと合わせて無茶苦茶良かった…!!!

特に『冬の旅』での岨手監督の言葉は、メモを取ってなかったことが悔やまれるくらい、鋭角にズバーンと来ました。

つまり、世の女性規範から外れる女性に対する冷酷な仕打ちというか、そおいうのはいまだに映画やドラマの中に残っているのだけど、本作には(主人公のモナにも死が待ってはいるのだけど)そういった罰のような悲劇的な描写がない点が素晴らしい、という点。

これは本当に以前から映画などを観ていて納得いかない点だったので、激しく同意した次第。

自由をのぞむ女性には孤独や不幸が結末として描かれがちで、反面、そういう男性に対しては罰も当たらないし、そういう男性に対して思いを寄せる優しい女性が与えられがちというか。

そりゃーつくり手の男性陣はそう願いたいんでしょうけど!

で、実際、規範や社会構造に守られてる男性の場合、結果的にそうなってるのかもしれないけど!

そういう納得のいかなさを抱えていた身には、『冬の旅』のモナとの出会いは本当に良かったというか。罰のような視点を一切無視して野垂れ死という、清々しさに心を洗われました。マジで。

『おーい!どんちゃん』は、どんちゃんに初ミルクをあげてげっぷを出してもらうときに、垂れたよだれを拭くのに郡司の鼻セレブが惜しげもなく使われるシーンが好きだったなあ。

道夫「え!いいの鼻セレブなのに」郡司「いいよいいよ!」みたいな。

赤ちゃんは尊いですねえ。

トークでは他に「移動と孤独」「定住と共生」という点も挙がっていたのですが、自分には、定住しながらいかに移動の状態を(身体的に限らず心理的なものも)つくるか、

とか

少しだけ共生の感覚を保ちながら擬似孤独的な世界をつくってみる、

ということへの意欲があり、現代のツールや労働環境ならそれが可能な気がするので、良い世の中になったなあと思ったり。

「映画へと導く映画」、次は1月に三宅唱監督を迎えて開催ですよ。(詳細はこちら

次回も楽しみであります。

(編)

 

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