読んだ本。フィリップ・マテザック『古代ギリシア人の24時間 よみがえる栄光のアテネ』

河出書房新社の紹介ページから「トゥキュディデスやアリストファネスら実在の人物と、奴隷、ガレー船船長、スパルタのスパイなどが交錯し、1時間ごと24人の目を通して、約2500年前のギリシアのリアルな日常が甦る!」という一冊。

高畠純夫さんによる解説に「教科書に出て来る無味乾燥な名前の羅列ではなく、社会の中で生きるそれぞれの人物として、その姿を垣間見つつ社会のあり様を学ぶことが出来る」とあったように、読んでいてとても楽しい内容でした。

新鮮だったのは当時の馬の乗り方(槍を棒高跳びの棒のように使った跳躍乗り)で、鎧をつけていない馬に踏台を利用せずに5秒で乗れる方法として、なるほどー!と。跳躍乗り、めちゃ難しそう。

あとアテネ〜スパルタ間の245kmを40時間未満(しかも裸足)で走る(そして1、2日後にはまた同距離を走って戻るという…)伝令の話とか。

ソクラテスやプラトンは別として、その他の実在した登場人物は名前を見てもピンとこなかったけど、「あのソポクレスってじいさんはヘンタイなんだよ」と衛兵に言われてしまうソポクレス、注釈を見たら『アンティゴネ』を書いた人じゃないか。

2000年以上前に若い重装歩兵をだまくらかしてベロチューをかましていたソポクレス、の書いた『アンティゴネ』を見て感銘を受ける現代に生きる自分。すごい世界だ。

※この一件は、アテナイオス『食卓の賢人たち』で書かれている内容から舞台と若者の役職を変えて、あとは『食卓〜』そのままに書いたエピソードだそうな。

フィリップ・マテザックは他にも『古代ローマの日常生活 24の仕事と生活でたどる1日』という本も出していて、こちらも読んでみたい。

古代ギリシアを舞台にした映画とかを観たときに、本書で得た想像力が生かされそうで楽しみです。

(編)

 

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