手に取ってみた本。

アンジェラ・マクロビー『フェミニズムとレジリエンスの政治 ジェンダー、メディア、そして福祉の終焉』

青土社の書籍紹介ページから、以下引用です。

ネオリベラリズムが蝕む女性たちの生

「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうにはなりたくないでしょう?」――映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。

上の文章を読んで本書を意気込んで借りてみたのですが、自分に学術的な文章の翻訳文を読み込んだ経験があまりないせいか、書かれていることがなかなか頭に入ってこず、かなり未消化のまま読むことを諦めてしまった…。

一応最後まで辿りつきはしたのですが、文章に対して目が上滑りしっぱなしだったので、とても「読んだ」とは言えない…。

という感じで、かなりぼんやりとした読書体験ではあったのですが、それでも、低賃金かつ不安定な雇用条件で1日の大半を拘束されながら働く女性と、そうではない女性との間の格差が拡大していて、

前者は子どもに手をかけたくとも、その元手も時間もない。という現代社会の状況があり、

社会がそういう構造になっているにもかかわらず、女性の新しいロールモデルとして後者ばかりに光が当たり、構造改革に至らない。

という点には深く同意。

「自分を癒してレジリエンスを高める」にもお金と時間が必要だし、本来全ての女性が楽に生きていけるよう、現実的な話としては、第一にエッセンシャルワークと呼んで持ち上げた業種をはじめとして最低賃金を上げてくれ。という話が先にあって、

ついでに住宅手当も拡充してもらって、次に働き方の選択肢(在宅、フレックス等)が全ての女性に開かれてほしい。

個人的には、「人生で手に入れたいもの(充実させたいこと)は自由に選んでいいのだ」という価値観が広まって、仕事以外のことを大事にしても必要最低限の生活が保障される社会になってほしいなあ。

輝かなくても何の負い目も感じる必要のない社会を希望します。いやホント。

(編)

 

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