読んだ本二冊目。河野啓『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』
自分と栗城さんの直接的な接点は、2008年頃に一度だけインタビューをしたことで(エベレスト初挑戦の前だったと思うから多分2008年かな?)、エベレスト初挑戦時の生中継も確か見たような…という感じなのですが、
先日たまたま集英社のサイトに再掲された、著者の河野さんへのインタビューを目にして(文庫版が出たのですね)、もちろん栗城さんがお亡くなりになったことは知っていたけれど、その事実以外は全然知らないなあと思い、本書を手にしたのでした。
あと個人的に、寄稿した『高校生はこれを読め!』(2010年北海道新聞社)の中で紹介した二冊のうち一冊が、栗城さんの2009年の著書『一歩を超える勇気』だったこともあり。(ちなみにもう一冊は、ジョン・クラカワー『荒野へ』)
私自身、無知ゆえの無謀な行動は数知れず、かなり「おめでたい」ところがあり、相応の人から見ると「妄想レベル」と厳しく言われてしまうような認識の仕方をしてしまう人間で、
環境や運次第では危うい転がり方をしていたはずであり、その意味で、本書に書かれた栗城さんの辿った道をどう思えばいいのか、ちょっとわからないのですが。
ただ、次は『一歩を超える勇気』と『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』をセットで推薦するかもしれないな。
人間という存在や、自分自身の欲望や心の奥底にある暗い部分を見つめることを、この二冊は手助けしてくれる気がします。
河野さんへのインタビューでは、こちらも興味深かったです。特に以下の部分。
ただ、客観的に栗城さんの行動やブログ、映像で見る山での様子や登山関係者の話を紐解くと、彼も登れないことは解っていたと思います。しかし彼と地上でしか会っていなかった、彼の事務所の運営をしているスタッフや、サイト運営のスタッフの方々は「栗城くんは絶対に登れると信じていた」と言うんですよ。それには驚きました。山と地上での両面があるというのが、彼の不思議な魅力だったと思います。
誰かを「信じる」ということは、一体どういうことなのかなあ、とぼんやり考えてしまった。
当人にとって励みになり、でも当人を苦しめない、当人にとって逃げ道のある「他者からの信じられ方」、とはどんなものなのだろうか。
難しいものですね。
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