土曜日はPLAZA映像祭から2プログラムを。
まずは映像作家 大西景太の”音のかたち”。このプログラムについては、まずは何と言っても企画者小野朋子さんのコラムをぜひ読んでみてください。
フライヤーを見たときから気になっていたプログラムだけど、彼女のコラムを読んで俄然楽しみになった身。
で
当日はまず大西さんの2作品を最初に見て、
それぞれの作品の構造についてレクチャーしていただいたのち、(ちなみに下の「14のカノン」について解説していたとき、「大丈夫ですか?ついてきてますか?」と大西さんが観客を気にかけていたのですが、私はついていけてませんでした!)
※大西さんのサイトに解説ノートも載っておりますので、作品と合わせてお読みいただければと。
VJライブで演奏するJ.S.バッハ作曲・平均律 第14番 フーガ「fis-moll」の楽譜3パターンについて、大西さんがそれをどのように「かたち化」したかを先に紹介し(オルガンの伸びる音色をかたちにすると、きしめんライク。)
※本作についても大西さんの解説ノートありました。
いざVJラーイブ。かたちを見ながら聴く、は、耳だけで聴く、とはまた違う感覚があって、不思議だなー。
特にバッハの曲は自分にとって遠いもので、たまーに聴く機会があっても、なんだか高貴な人の行列が通り過ぎていくのを遠くから見ている感がある類の音楽なのですけど、大西さんがその構造を目に気持ち良い形で見える化してくれると、途端に「あ!こういう音楽なの?」とアンテナが働くというか、
遠いものをただ見ているというよりは、(それこそトーク内でチラリと出てきていた肖像画の「ドヤ顔」でぐっと親しみが湧くように、)「すっごいね!」と驚きながら能動的にその音楽世界へ入っていける喜びが。
あと質疑応答パートで、大西さんが「単純に音をかたちにすると気持ち良い」みたいなことを話していて、それは確かに本プログラム中すごくそう思いました。音がかたちになると、気持ち良い。
続いて2プログラム目は、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督『暗くなるまでには』
こちらのコラムで本作が「謎と逸脱にあふれた迷宮映画」と紹介されていて、確 か に !!
自分が何を観てるのかわからなくなる作品だったけど、アフタートークで樋口さんが「物語ではなく映画という構造を観ている」とおっしゃっていて、軽く興奮しました(思わず手帳にメモった)。なんだかすごい。
「視点を物語から切り替えると、監督が見せようとしたものが見えてくる」というようなことも話していて、いろんな解釈が可能なめちゃくちゃ面白い作品なんだなあ、と。
ちなみに「音の映画」と銘打ってるだけに、虫や鳥の鳴き声がむわっとしていて、そういう自然の音や静かな感じが続いた後でいきなりのガツンとしたクラブ音に打たれたので、身体がビクッとなりました。
これも樋口さん曰く、今回は通常の映画上映と爆音上映の中間くらいの調整をされていたそうで、なんとなくお得感…。いやあ、足を運んだ甲斐がありました。
ちなみに私は、小野さんが映画について語る言葉が好きなのですが、先に挙げた大西さんプログラムの紹介コラムの最後は、「私たちは発見のために生きている!」。
そうだよ!
私たちは発見のために生きている!
土曜日はこの映像祭でおおいに(自分的)未知を発見できて、楽しかったな〜。良い休日でした。
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