今週の木曜日は至福の1日でした。

まずはシアターキノでヤン・ヨンヒ監督『スープとイデオロギー』

これまで朝鮮半島の歴史に触れる中で、監督の母親が経験した「済州4・3事件」のことも概要として知ってはいたけど、それと在日コリアンの人たちのつながりというのを本作で初めて知り、その圧倒的な悲しさと、想像する手立てを手に入れた感覚。

映画後半、2018年に済州島で開かれた犠牲者追悼式に母親と共に出席した監督は、滞在中に済州4・3事件のことを深く知ることとなります。

追悼式後、数年前に母親のところへリサーチに訪れた研究所の人たちを訪問し、そこで、頑なに“北”を信じ続ける両親を責める気持ちがあったこと、でもここで起こったことのあまりの凄惨さを考えると、”南”を憎いと思う両親の気持ちがわかる…そうやって命からがら逃げてきた人たちが大阪にたくさんいる…

と、自身の胸中を吐露するんですね。

このシーン、もうこちらも涙と鼻水が止まらなくて、マスクが大変なことになりました。

そうなんだなあ…。

ちなみに

チラシに使用されている母親のショット、「このシーンからだったんだ!」というところも涙腺崩壊ポイントでした。

それにしても、韓国の戦後史を小説や映画で追体験するたびに思うのは、国家が国民に銃を向けることの悲しさです。

もちろん日本にだって戦後に国家と国民が衝突した事例はあるし、例えば辺野古の新基地建設反対運動で抗議者に対する機動隊の様子を見たりすると胸が痛むけれど、でも機動隊が抗議者に銃を向けることは決してない。

この一点だけでも、なんとか、国としてよく歩んできたよ…と言いたくなるくらい、やっぱり「国家が国民に銃を向ける」というのは辛すぎる…。

ふー。

あ、『スープとイデオロギー』は劇中出てくるスープと鶏肉が美味しそうで、観ていてお腹が空きました。

この日は久しぶりに映画の前の時間をキノカフェで過ごし、

これまた良い時間でありました。ハーブソーダ美味。

次に続きまーす。

(編)

 

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