※購入後作品を飾ってからの、日々見え方が変化する作品写真や動画を最後に随時追記しています。

昨日はクスミエリカ個展「ノスタルジア」を見に、GALLERY MoNMA(ギャラリー門馬)へ。

ギャラリー門馬は、昨年秋に建て替わってから、訪れるのは初めて。

お山からだと、札幌駅行きのバスで「南14西11」で降り、そこから徒歩20分ほどで行けることが判明して、ギャラリー門馬のアクセスハードルが下がったかも。

個々の作品については、こちらなども参考にどうぞ。

上の動画で最初に写る、新作の黒の格好良さがまず印象的。聞くと、これは夜空の黒で、よく見ると黒色がわずかに変化しているのがわかる(下の方に若干明るい部分がある)。

漆黒と言いますか、お山の家も夜に電気を全部消すとまっっっっっったく何も見えなくなるのですが、月明かりのない日のお山の闇がまさにこれ。

出力の仕方をこれまでと変え、黒の色味にはかなりこだわったのだそうです。(技術的な言い回しや基本的なことをよくわかっていない自分が記憶を頼りに書いているので、細かな部分で説明されたことと若干異なっていたらすみません。。)

そして何と言っても自分が好きだったのは、《フェネクスと月》。

(↑作品の一部分)

札幌市民なら、今年2月にモエレ山の積雪に亀裂が入ったニュースを覚えているのではと思うのですが、その亀裂から不死鳥フェニックスの「闇落ちした」バージョン(らしい)フェネクスが召喚されている本作。

無茶苦茶格好良いな!

ゴミを埋め立ててできたモエレ沼公園という場の記憶と、一歩間違えば雪崩になるかもしれない自然の脅威がフェネクスの佇まいに影響を与えつつ、

写真を撮ったそのときに(本当はいてはいけないような状況にも関わらず)まさに雪山の頂上にいた人や、亀裂からのぞいた草地目当て?のカラスたちはそのままに配置されていて、

「頂上にいた人はめちゃ派手なウェアを着ていたのだけど、そこはさすがにそのままにはしませんでした」という言葉に笑った。もしこの作品の中で、その人が派手な色合いのまま頂上にいたら、また全然違う歪みが作品に生まれそうだ。

私は

エリカさんの作品の中にいる「人間」の存在が、作品世界への誘い役と言いますか、「こんな世界もありうる」「私もそこへ行きたい」と思わせてくれるものであるとは思いつつ、

個人的にはそれがノイズに思えると言うか、「いない方がこの作品世界は完璧なのに」と思ってしまうのだけど、

(多分、自分の場合は「この世界に入ってみたい」という風に作品を見ていないのも一因としてあるかもしれません。あと人間に対する考え方。)

そのことについてエリカさんと話す中で、彼女の作品には人がいないものもあるけれど、人がいる作品には「人の存在が現状良い影響を与えていないとしても、それでも共にあることを諦めたくない」というような願いが託されている、という話に。

作品を通じて(自分との)考え方の違いに触れていくのは興味深いし、そういう風に世界を見ているエリカさんだから、この作品世界なのかもしれないなー、とも思ったのでした。

そして

「フェネクス」という超格好良いキャラクターも生まれたことだし、あるいはDM画像の生き物でもいいのだけど、

(これ↓)

エリカさんの作品は、いつかファンタジー小説の装画になってほしい〜。

小学校高学年くらいから読めるようなファンタジーで、その小説世界に夢中になった子どもに、「このイメージは、君がいつも見ている木々や、あの建物や空からできているんだよ」と言ってみたい。

そうやってファンタジーと自分の身の回りの現実が接続するなんて、めっちゃ夢がある…。

あ、

あと立体のBiotope6も素敵でした。100枚以上のレイヤーを重ねて生まれるデジタルコラージュの、レイヤーをそのままに立体化させたい…!という試行錯誤の最新版。

実際この世界にも切り口のさまざまなレイヤーがあって、例えば人間から見えるレイヤーと、昆虫から見えるレイヤーと、野鳥から見えるレイヤーと…という無数の生物のレイヤーが重なって、一つの今このときがあるわけだけど、

Biotope6を通して窓の外のお山を眺めたら、いつかどこかにあったレイヤーとお山が接続して楽しいな、と想像した次第。

ということで

長くなってしまったけど、とても楽しい鑑賞時間でした。

新生GALLERY MoNMAも素敵だったな〜。

※5/19追記:Biotope6が我が家にやってきました。

2枚目、透明系(右から高臣大介さん、エリカさん、川上りえさん)は、全部ギャラリー門馬経由での購入です。それぞれ購入時のブログは、名前のリンク先をどうぞ。

自分の目で見ている実物は、写真より何十倍も豊かに光とお山の木々の緑を内包していて、素晴らしいです。

立体になると外界のものを取り込んで見え方が果てしないというか、刻々と変化していくので、ビオトープ(生物生息空間)感増し増し。

早朝のひんやりとした薄青緑に染まった佇まいにも、毎朝見とれています。これ、つくった本人にも見てほしい〜。

※5/22追記:この宝石のようなbiotopeを見てください。

西日に木々が輝くゴールデンタイムに西側の窓の前に置くと、また見え方が変わることも発見。

結構いろんな動物がこのビオトープの中に生息しているのだけど、タコがいることにも今気づきました。

今後もいろいろ写真追加してしまいそうな予感。

※8/14追記

※10/15追記

※10/30追記。紅葉のお山とBiotope。

※12/29追記。冬のBiotope。

※その他、過去に購入した作品については、こちらにまとまっています。

(編)

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