さまざまなパフォーミングアートが上演される、韓国ソウルのフェスティバル「WELCOME DAEHAKRO(ウェルカム大学路)」。

のオンラインプログラム「WELCOME K-STAGE」がスタート。

2021年7月から11月の最終金曜日20時から24時まで、各作品のフル動画を無料配信。「2022年、韓国で直接見られる多彩なジャンルの作品を先取りできる特別な時間」とあるので、なかなか太っ腹な企画かと!

で、早速第一弾のミュージカル『最後の事件』を鑑賞。

アーサー・コナン・ドイルがシャーロック・ホームズを生み出し、その人気のあまり、自身が次に書いた歴史小説は出版社から相手にされず、ホームズと決別するために宿敵モリアーティ教授を生み出し…というお話。

「最後の事件」をモチーフに、作家とキャラクターのどちらが支配し依存しているのか、みたいなことを考えさせる内容で、最初は話をよくわかってなかったので(ミュージカルも普段めったに見ないし)どうしようかなーと思ったりしたのだけど、途中から俄然集中。面白かったなー。

見終わった後、アーサー・コナン・ドイルのWikiを見て、あーあの後の歴史小説も人気作品になってよかったね、と思った次第。

アメリカ・ミズーリ州セントルイスの森林公園で毎年夏に開催される、St. Louis Shakespeare Festivalによる無料の野外劇「シェイクスピア・イン・ザ・パーク」から

オンラインプログラムとして『リア王』が期間限定配信されていたので、こちらを。

トニー賞、グラミー賞、エミー賞を受賞しているAndré De Shieldsがリア王を演じた本作。セントルイス市長から、2021年6月4日を「King Lear/André De Shields Day」とする市長宣言が発表されるとか、すごい。

NYTのインタビューを読んでいたら、彼が60歳で初めてリア王をハーレムの劇場で演じたとき、演出家から「あなたを切望しているが、もしコーデリアを自身で抱え上げることができないなら、キャステイングすることはできない」と言われたそうな。

で、それに対して「抱えて現れることはもちろん、その体勢のままセリフを言うこともできますよ」と答え、そこから15年後の75歳となったAndré De Shieldsが本作でリア王を演じる際に同じ質問がされたときも、同じように答えたというのがすごい。

あの行為が、本当に重要な意味を持つシーンなのですねえ。(ちなみにローレンス・オリビエが映画『リア王』で演じたときは、一見抱え上げているようだけど、よく見るとピアノワイヤーでコーデリアが吊られていて、それを見たアンドレ氏は「とんでもないことだ」と。あの場面で作品全体が失敗するくらいの、ダメなことだと言っていた。)

シェイクスピアは海外の演劇配信でよく見るようになって、同じ戯曲に対する演出の仕方や、その劇場が根ざした社会背景を反映させた解釈を(インタビューやレビューなどで)読む面白さもあるな、と最近思い始めました。

演劇って、本当に興味が尽きないな。

(編)

 

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