ノマド 漂流する高齢労働者たち』読了。

映画『ノマドランド』の原作です。2008年のリーマンショック以降、職や確定拠出年金を失うなどして家賃を払えなくなった人が車上生活(ノマド)を始め、その数は年々増えていると。

定住を手放し、自由に移動して夏はキャンプ場や畑、秋からクリスマスにかけてはアマゾンの倉庫で働くワーキャンパー(ワーク&キャンパー)のコミュニティがあり、車上生活の知恵と工夫を共有し、年に一度開催される集会RTRには百人を軽く超える人数が参加。(その様子は映画にも出てきた)

本書では2017年までの様子が書かれているのだけど、季節労働の過酷さに加えて、車上生活者に優しくない法整備がなされたりなど、彼らを取り巻く状況は厳しめ。

なのだけど、それをサバイブしていくタフな人間の姿でもあって、追いやられた弱い者たちが新しい文化をつくってきたという歴史の流れも感じつつ。(同時に、筆者はワーキャンパーには圧倒的に白人が多く、白人である特権のおかげでなんとかサバイブできているのだ、ということにも触れていた。)

特に、映画でも本人役として出てきたリンダ・メイの人間力はすごいなあ、と。60代後半で車上生活に飛び込んだ彼女の目標はアースシップ(オフグリッドな循環型住宅で、2019年には日本にも1号目が完成)製作で、本書では荒れ地を購入するところで終了しており。

今年2月になされた彼女へのインタビューを読んでみたら、井戸づくりと、これから温室を作るのだそうな。すごー

車上生活のスキルをもって、日本でもいけそうなサバイブ方法を妄想してみると

まずは、移動手段と、何かあったときのプライバシー空間確保のために車上泊のことも考えて自動車(軽でもフルフラットになる車種がいいですよねー)必須。

で、基本的なインフラ(水と電気とトイレ)を確保するために、空き家バンクなどで格安物件を探す。(10万以下でも家庭菜園付きの家とか結構ある。)

寒い地方は冬の経費がかさむので、暖かい地方かなー。猛暑な夏の間は、北海道でそれこそ畑アルバイトしながらキャンプするとか。

で、家と土地があれば、そこで車上生活のスキルを駆使して最低限必要な電気を賄う簡易ソーラーパネルを設置したり、成約済みだけど、ここみたいに地下水のところを探してみたり(地下水でも、我が家みたいに浅井戸の場合は大腸菌などが検出されたりするので、飲用に浄水器必須)。

家庭菜園で野菜を育てて極力自給自足に挑戦する。

とか?

家を自分だけのインフラ&住所供給地&車を安全に停めておく場所と考えれば、多少ボロい空き家でも全然オッケーという感覚になりそう。定住だけど、感覚としては半定住というか。

北海道は冬の燃料費を捻出できなければ=死なので、冬だけ寮費無料の住み込み型仕事をするのもいいかもしれないなあ。

などなど、本を読みながらツラツラと妄想しつつ、昔は難しかったサバイブ方法が、逆にこれからどんどん拓けていくところはあるかもしれないなあと思った次第。

空き家とか。キャンプ的な知恵の共有とか。軽キャンパーの登場とか。格安スマホとか。

社会保険と健康的な食生活、光熱費と通信費、車の維持費が賄える最低金額なら、一カ月間フルで働かなくても賄えそうな。どうでしょう?

(編)

 

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