今週見たものをいろいろ。
9/15(火):『13TH』@Netflix
アメリカの人種差別、法と政治、大量投獄の歴史に踏み込んだドキュメンタリー(2016年制作)。現在、Youtubeでも全編公開されてます。
「13TH」とはアメリカ合衆国憲法修正第13条のこと。永久的な奴隷制度廃止の修正条項なのだけど、「犯罪を犯したものについては適用されない」という一文が抜け穴となっていて、アフリカン・アメリカンの受刑者がダントツに多い刑務所の中で、現代の奴隷制が続いているという内容。
刑務所ビジネスに群がる企業があり、彼らを中心に構成される団体が提案した法律を、議員がそのまま提出している疑惑とか。政治闘争のために犯罪に対する厳罰化が進み、結果アフリカン・アメリカンの受刑者数が飛躍的に伸びていく様子とか。
BLM運動の怒りがよくわかるし、逆にそれに難癖をつける人がいる、ということが意味する病み(闇)具合もよくわかる。
特定の人種に対してメディアが行うイメージ・コントロールとか、権力を持つ側や多数派に有利な法体制(パッと思い浮かぶのは労働関係とか在留外国人管理制度とか)は、日本だって例外じゃないし、そうやって作られてきた仕組みに飲み込まれずに変えていくことの方に、どうせなら自分の存在を役立てたい。微力でも。
9/16(水):国際ダンス映画祭傑作選 2020
9/17(木):『太陽の下で -真実の北朝鮮』@アマプラ
ヴィタリー・マンスキー監督がドキュメンタリーを撮るつもりで北朝鮮入りしたら、当局が脚本を用意しており、それに沿った撮影を強いられ、なんなら演出も当局の人がしてる。
という状況を、密かにオンにしていたカメラで丸ごと撮影したもの。(それでもごっそり削除された部分もあったそうな)※詳しくは、この辺やこの辺の監督インタビュー記事をどうぞ。
本作で初めて知ったのが、「少年団」のことで。毎日新聞記者さんによる解説記事から引用すると、
北朝鮮の国民は小学校2年生で朝鮮少年団に入る。映画では、金正日の誕生日である2月16日に行われた入団式にジンミが参加した姿が描かれている。北朝鮮ではこの日以降、死ぬまで何らかの組織に所属することが義務付けられており、組織を通じて生活全般を統制される。国民を洗脳していく仕組みだ。
で、
すごく印象的だったのが、(上の解説記事にもあったけど)主人公のジンミが(理由はわからないのだけど)泣いてしまって、それを見た当局の人が「落ち着かせろ」とスタッフに指示。スタッフが「好きなことは?」と聞くと、ジンミは「好きなことは…わかりません」と答えるんですね。
「じゃあ、好きな詩は?」と聞かれると、学校で教わった金正恩氏礼賛の文言をスラスラッと答え、涙も引っ込むわけです。
フィクションではなく、8歳の子が、「自分の好きなことを考えられない社会」に組み込まれる瞬間を見た感じがして、やるせない気持ちに…。
北朝鮮…近くて遠すぎる国ですが、とりあえず、上の解説記事の著者による『北朝鮮入門』は購入。読むぞー。そろそろ『愛の不時着』も見てみようかな。
9/18(木):salon cojicaで小林知世『暗闇で手紙を読む』
写真の手前に写ってるのは、ギャラリーオーナー兼弁護士の川上大雅さんによる『駆け出しクリエイターのための著作権Q&A』。早速ゲットしつつ、大雅さんとも少しお話。
執筆が佳境を迎え、ZOOMで編集者さんに見られながら書いたというエピソードには笑いました。ZOOM…
ちなみに同シリーズで『駆け出しクリエイターのためのお金と独立準備Q&A』というのもあり、こちらもなかなか参考になる一冊。
あ、知世さんの個展も素敵でした。でも地味に、自分は昨年彼女のアトリエで見た作品が一番好き。
この日はこの後、CAI02で『サッポロ・アート さよなら昭和ビル』を。
CAI02、移転するのですね。次はどの辺にオープンするのかな。
長くなったので、一旦終わり。次に続きまーす。
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