読んだ本。
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瀬戸晴海『マトリ 厚労省麻薬取締官
いやー、読んでる間、何度「怖っ」と呟いたことか…。あ、何が怖いって、薬物の依存性と諸症状が…。
これ、麻薬とかドラッグとか呼ばないで、普通に「毒」「猛毒」って呼んだ方がいいんじゃないですかね…。いくら興味本位でも、さすがに「毒」となると、興味云々で摂取するような話じゃなくなるし…。
ただ、
本書の面白いところは、上記のようなことだけじゃなくて、捜査の実態を(現在進行形の捜査に支障が出ない範囲で)知ることができるところで。
日本の薬物犯罪史として、覚醒剤乱用期の変遷とか。(95年以降は第三次に位置付けられ、インターネットを媒介とした密売買や多剤乱用の一般化、密売組織の多国籍化、危険ドラッグの蔓延などが手を替え品を替え続く)
特に危険ドラッグの爆発的な流行と、販売店舗を全滅させるまでの第7章なんかはアツい。(2014年に起きた事故については「あーそんなことあったかも」と思い出す程度だったので、そんなに深刻な事態になっていたのか!と驚いた)
ある乱用者の供述(20代、大学生、女性)でハーブを吸煙するようになった経緯が語られるのですが、もう、煙草を回し吸いしたことのある人なら全員「あ、これ自分…」と思ってしまうありふれ具合で。
そんな「ちょっとしたこと」の代償が、こんなに大きくて酷くて長く続くなら、やっぱり「毒」って言った方が絶対良い。
そして、摘発された製造者の供述で「自分たちは絶対ドラッグはやらない」「新たにブレンドしたものはテスターで効果を試していた(つまり人体実験)」というのもなー。酷いと思うけど、こちら側に行くのだって意外とハードルは低いんだよなーってのが、歴史が証明する「人間」というものなわけで。
なので、そもそも売れなきゃ成立しない世界なわけだから、毒には手を出さず、人間が酷さを発揮してしまう環境そのものをなくしていく方向しかないよねえ、と、自分は思います。
麻薬の成分的なものから、それを取り締まる側の法律も含めた仕組み、売る側のあの手この手ぶり(からの自衛)あたりが網羅的にわかる一冊なので、ぜひ高校生の課題図書にしてほしいっす。
あと、依存症は深刻な病気だから、回復するためには周囲のサポートが超大事なこともよくわかる。
交通事故に遭って後遺症に苦しむ人に「そもそも事故に遭う方が悪い」とか言う人はいないし、「後遺症に苦しむのは治ろうという意志が足りないからだ」なんて言う人もいないのと同じですよね。
あと最後に、マトリ…マジこれからも頑張ってほしい…!マトリ!
(編)

 

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