トークに続いて向かったのは、らいらっく・ぎゃらりいで開催中(24日まで)の『冨田美穂展 -反芻のかたち-』
ガラス越しの全身図。やっぱり全身図は、本 当 に 素晴らしい…涙。
2013年に初めて彼女の個展をレタラで見たときもしみじみしてしまいましたが、今回も、刻まれた毛の一本一本の圧倒的な集積を眺めているうちに、
生き物というものは、毛の一本ですら、もう尊い創造物なのだなあ、という想いがふつふつと。生き物ってすごいな!
なんてことを考えながら、お次は伊藤隆介『ゴーストワールド』を見にCAI02へ。
隆介さんのインスタレーション、ミニチュアという見た目にチャーミングな「もの」たちと、それが映像になった時の不穏さの、チャーミングさと不穏さの関係にいつもざわざわさせられます。
そして、めっちゃ素朴な疑問なのだけど、なんで「不穏な」ワンシーンを作るんだろう。平穏なものからは「劇的さ」が生まれないからかな?
などなど思いつつ
ちょうど隆介さんが作品のメンテナンスをするところに立会いまして、ここぞとばかりに質問攻撃をしてしまったのですけど、肝心の上の部分は聞きそびれました。
コンビニの棚に並ぶスナック類のミニチュアを追加している隆介さんを眺めながら、つい発した「こんなにTOPPO大きくなくないです?」という私の一言から、棚が埋まって見える陳列具合や、サイズの足並みを揃えない菓子など、実際に何度もコンビニに通って調査しまくったからこその発言が多数飛び出し、陳列への解像度高っ!と思ったり。
商品の陳列に関して、実際はピシッと陳列面が揃ってないと埋まってる感が出ないのに、それをミニチュアにした場合、わずかに陳列面をずらすことで埋まってる感が出てくるとか、興味深い…。あと力尽きてチップスター推しの状態になっていることとか。(チップスター推し?と思った方は、ぜひ作品をチェック!)
皿屋敷でお菊の霊が皿の代わりに某丸型のアレコレを数えていく作品では、「第1、第2、第3、第4の世界があるのが面白いですよねー」という私の発言から、「ヤマユウ先生」のお話と、さらにそこから教え子の作家さんについてのお話がバババーッと広がり、
そこから思わず「シリーズ作品の制作にあたり、何を持って更新していくのか?」と質問してしまったのですが、機構、内容、嘘のつき方という3つを挙げてくれて、自分的に「嘘のつき方」というトピックがとても興味深かったのでした。
ほんの少し事実が混じった嘘のもっともらしさ、から、精巧なものとハリボテ感漂うものが混じった目の前の模型、と、拡大映像のもっともらしさ、へとつながって
人間の脳みそが持つ、厄介でもあり面白さでもある自動補正作用現象を思ったり。
そんなこんなで、作品を前に隆介さんとマンツーマン・アーティストトーク状態という、贅沢でとても面白い時間に。隆介さん、貴重なお話をありがとうございました〜。
ちなみにCAI02にはちょうど端さんもいて、3人で先日の『プリミティブ』話で盛り上がりつつ。
話してて改めて思ったのですけど、hitaruは劇場空間だけを見れば、全くもって「完璧なもの」が上演されるような劇場なのに、
これだけいろんな人があーだこーだ突っ込めたり「こうやったらいいのでは?」と言えるような、「隙間のある作品」が上演されるってことが、また貴重というか、札幌らしいというか。
プリミティブスタイルの、いろんなバックグラウンドやジャンルの出演者が結集した作品で、いつか年末のカウントダウンをhitaruでやるってのも最高じゃないです?(と、サラリと言う。)
ということはさておき
昨日はたくさん人と会って、おおいにインプットした1日でありました。話した話した。
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