劇団アトリエ『汚姉妹 〜呪われた少女〜』をシアターZOOで見てきました。
始まってからしばーらく気づかなかったけど、これ、再演だったのですね。(正確に言うと、2013年初演のリメイク)
初演時はどんなんだったっけ…と思って探してみたら、当時は彼らの「歪さが噴出するときの圧力」に注目していたのだなー、自分。(初演時のブログはこちら)
で
2016年版。
作品の99%は、今の自分の演劇作品への興味関心からは、ちとかけ離れたところにある感じ。
ただ、残りの1%に、自分でもびっくりするくらい動揺しました。
それは、ハルちゃんが最後に泣くシーンです。
初演時と大きく異なるとしたらここで、泣くという行為は同じなのだけど、意味するものは全く別のものになっていて。
帰り道にぼんやり考えていたのは、
人生において大切なもの、信じられるものは、現実に存在するお金でも家族でも恋人でも友人でもなく、やはり「圧倒的に大きな時間軸を持つ世界」から私たちを見守る存在(ハルちゃんにとってはそれが死んだ母親だったけど、私はそれを神様と同じような存在として受け止めました)なのではないだろうか。
逆に、現世の時間を超越した絶対的な精神の拠り所(信仰心)を失ってしまったとき、人間という存在のなんと寄る辺ないことか。
大きな時間軸とのつながりを、すでに絶たれた世界に自分は生きているのだ、という再認識と
現代社会においては、絶望した人間の慟哭さえ雑音(本作では豪雨の音)にかき消されて人々の耳に届かない、という無慈悲さに
動揺したのかもしれないなあ。
あるいは、その後自死を選んだことに覚えた穏やかな気持ち、に対してか。
いやはや。
「宗教」も、後追いしたいワードに浮上しましたよ。
宗教とか信仰とか、人の精神世界ってのは興味が尽きませんねえ。
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