あいちトリエンナーレ2016公式コンセプトブック『夢みる人のクロスロード 芸術と記憶の場所
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読了。
「旅と創造」をめぐる文章と写真で編まれた本書は、直接トリエンナーレの作品等を説明するものではないのですけど、観に行く前の想像力の準備運動として、とても良い一冊でした。
第1章の「神秘と夢」は、ジョルジョ・アガンベンの「イメージ、夢、目醒め」が、今の自分の思考回路ではとても追いつけない、はるか先を行くような文章でウットリ。
「知」の世界は大海原だなあ。
第2章、第3章は、トリエンナーレの内容と直接関わる文章が含まれていて、とっつきやすかったです。
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン「グレーから出る(抄)」は、トリエンナーレ参加作家のマチュー・ペルノへの手紙という形で書かれたもの。
そこに出てくる、「移住」であると同時に「残存」であるような何か、という言葉にハッとしつつ、
移民にまつわる最後の一文
「あなたは再び確認したのです、グレーから出るのが難しいということ、ひどく難しいということを。」
が、すごく良かった。これは自分的に並走感ある。
もう一つ、今の自分の興味関心にフィットしつつ新しい視点をもらえたのが、関口涼子さんの「味の翻訳」。
全体を読みながら感じていた思考の旅、を、来月実際に「身体的な移動」を繰り返しながら、違う形で楽しめるといいな。
それにしても
なんというか、このコンセプトブックを読んで、「知的に美しく編む」ことへの羨望が…
具体的で俗世寄りになってしまうガイドブックは、それはそれで必要だと思うのだけど、そうじゃない詩的で深みのある入口を用意してくれた、このコンセプトブックの完成度たるや。
港千尋さん、すごいなあ。(当たり前か。)
(編)
 
 

 

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