先週のことになりますが、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の最新作『光りの墓』と、2006年作の『世紀の光』を二本立てで見てきました。

映画を二本立てで見るの、久しぶり。
『光りの墓』は、『ブンミおじさんの森』で感じた死者と生者、自然と人間、の混じり具合ももちろん素晴らしかったけど、個人的には過去と現在という時間の混じり具合にハッとしました。
すべての境界が溶け合って混じり合っていった最後、ちょっとしたカメラワークで一瞬自分が(起きているのに)寝落ちしたような感覚になったことも、新鮮な驚きで。
あれ、すごいなー。
そのあとの『世紀の光』には、『光りの墓』と同じようなシーンや構成、カメラワークが随所に見られたのだけど、そこではまだ混じり合いには至っていないし、カメラの動きからも『光りの墓』で起こったような劇的な効果は得られず。

帰り道、それについて話したら「うまくなったってことじゃない?」って言われたけど、どういう技術がうまくなると、ああいった効果が生まれるのかしら。
不思議。
それにしてもアピチャッポン、スピリチュアルな世界を描く監督だと思っていましたが、『世紀の光』には「世にも奇妙な世界」的な不穏な空気を漂わせるシーンが意外に多くあったり。
面白い…
『世紀の光』を見て、アピチャッポン作品がますます好きになったかも。
『世紀の光』は期間中2回しか上映がなく、残りは20日(金)18:55〜。『光りの墓』は明日19日(木)までで、18:55〜。
ぜひ二本とも見てほしいですねえ。
「眠り」というのは、死者とつながる行為なのだなあ、と思ったことも、発見といえば発見。
たまに、「今眠って、このまま目が覚めなかったらどうしよう」と思うことがあるけど、「目が覚める」と無条件に信じていられるのは、なぜでしょうね。
(編)

 

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