前後しますが、12/4(金)はキラリふじみ・レパートリー新作 日韓共同制作『颱風奇譚』を見てきました。
初・キラリふじみ。
シェイクスピアの『テンペスト』に、1920年代の日本と朝鮮半島の歴史を重ねた意欲作です。
『テンペスト』では、王が最後に(相手の反省あるなし関係なく)許しを与えて終わるので、そのあらすじをなぞっていたらどうしよう…と不安だったのだけど、
『颱風奇譚』では別の終わり方が用意されていたので、心底ホッとしました。
そして、とてもとても面白かったです。
言語の力関係がちょっとした拍子に入れ替わる瞬間とか、それに伴って支配・被支配が逆転したりとか。
当時の帝国主義や植民地主義が作用した原理や論理などが、どうやって生まれたのか、とか。
単なる二国間の歴史、にとどまらず、とにかく作品の構造が多層的。素晴らしい…!!!
そしてなにより、被害者・加害者の関係だけで歴史を見るとどうしても行き詰ってしまいがちだけど、相手と(あるいは日韓の観客と)格闘しながらその先に行こうとしている
自分と同世代の日韓の演劇人の仕事に触れて、
「未来はこうやってつくられていくのだなあ」としみじみ思うものがありました。「勇気をもらう」って、こういうときに使う言葉なのではないだろうか。
慌ただしいスケジュールだったけど、行ってよかったなあ。(帰札後、その足で笠見さんの個展などを見に行った。)
それにしても、多言語を効果的に用いた演劇が、最近本当に面白いです。
言語がもたらすもの(力関係、思考の型、気質などなど)って、追求しがいがあるなあ。
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