昨日はシアターZOOで、弦巻楽団『四月になれば彼女は彼は』を。
「若手演出家コンクール2014」最優秀賞受賞記念として、1日限りの公演。
稽古場で役者二人が岸田國士『紙風船』の稽古をしている、という設定だったのですが、『紙風船』って面白いですねえ。(青空文庫に一幕が載っています。こちらをどうぞ)
「おれは、お前とこうしていることが、だんだんうれしくなくなってきた、それは事実だ。しかし、お前がいなくなった時のことを考えると、立っても坐ってもいられないような気がする。それも、ほんとだ。」
という夫のセリフ、素晴らしいな。
世のパートナー関係にある二人が、それぞれの心の内で、この問題に対してその人なりの折り合いをつけているのだろうなあと思うと、ぐっとくる。
夫を演じていた深浦佑太さんは、放出する(あるいは抑制と放出を0と100のバランスで切り替える)部分はもうひょいひょいいけるので、抑制の精度をさらに高めていくことに期待。
それは、なんとなく、弦巻さん演出で磨かれていきそうな部分のような気も。
話変わり、
弦巻さんはクラーク高校で演劇の授業も担当されていて、以前公開稽古を見に行ったことがあるのですが、
中高教育の現場に、地元の劇団が結構入っていってるんだなーと。
ジユウダイ!のシゴトいろいろで「演劇を活かすシゴト」として紹介したNPO法人札幌座くらぶ事務局の横山さんの話を聞くと、(インタビュー記事はこちら)
札幌座では毎年600人くらいの中学生にワークショップを通して演劇体験をしてもらっていて、昨年からは札幌演劇シーズン中に団体鑑賞をする学校も出てきたそうなのですね。
これって、なかなかの変化だと思うのです。
演劇の団体鑑賞を取り入れる学校がどんどん増えていけばいいなと思うし、いつか、札幌市内の小学6年生を対象とした「kitaraファーストコンサート」や、札幌芸術の森美術館で実施している小学校5年生を対象とした「ハロー!ミュージアム」ぐらいまでになったら素敵。
今はまだ規模は小さいけれど、こういった教育現場での取り組みの成果が、客席に現れてきているんじゃないのかなー
と、『四月になれば彼女は彼は』の客席を見て思った次第です。
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