昨日は展示をあれこれと見て回りました。
まず1軒目。北海道発:8人の写真と映像「もうひとつの眺め」
これはオープニングトークも聞きに行って、興味津々だった展示です。
久々にトーク、展示、図録と三点コンプリート。
図録の冒頭、穂積さんによる解説文の露口さんについての記述、「『見えないものは見えないまま』そこにあるのだ」「写真というメディアの『何かを写す』という性質の見直しが図られている」という部分、
昨年2月の『アクア-ライン』で彼の展示を見て以来、何かぼんやり頭の中にあったものが言葉として目の前に現れた感が。
なるほどなー、穂積さんさすがだなー。
でも、ああやってむき出しの写真が、同じ形式でもっと広い場所にたくさん展示されていたら、そこに何かが立ち現れるような気もする。
全然話変わりますけど
今、田本研造さんの開拓写真やそれについての考察を読んでいる最中で(大層分厚い)、
そこに引用されている中平卓馬の「<記録>の精神はその冷ややかさにおいてどこか一点<抵抗>の精神につながるはずである。」という言葉を見たとき、露口さんが浮かんだ次第です。
本展、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニが2013年にあいちトリエンナーレで発表した《3.11後の生きものの記録》(チェルフィッチュの岡田利規さんも出演されていた)も上映されていて、
そこで語られている黒澤明の『生きものの記録』も俄然見たくなりました。
あ、あとトークのときの天野さんの話を聞いていて、普段何気なく頭を通り過ぎていることの「ディテールをつめられる」人って、すごいなあと。
「ディテール」という言葉は、先日見に行った北海道ダンスプロジェクト公演「新たなる挑戦~NEW CHALLENGE Ⅴ~」でアドバイザーの方々のダンサーに対するコメントによく出ていたのですが、
それをこの写真トークで思い出しました。
すでに身につけている技術でなんてことなしに発せられるダンサーの「大ぶりな動き」は、イコール私の思考回路でもあるというか、何の疑いも持たない私の頭の中も、相当大ぶりだなと。
「動きのディテール」「なぜそのような動きをするのか」「動きのオリジナリティ」の「動き」を「考え」に置き換えてみると、こりゃ大変ですね…
そこを意識するようにしたら、少しは道が開けるでしょうか。
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