土曜日の二本目。弦巻楽団『トワイライト』@シアターZOO。
「その小学校の会議室では、緊急の案件が話し合われていた。
年に一度の学習発表会で6年生が上演する筈だった「猿かに合戦」が、一部の父兄から問題があるとされ、上演するかしないか議論になっていた。
周囲との軋轢を避ける為に、上演中止を望む教師。
ここまで練習して来た生徒の為にと、上演を望む教師。
「猿かに合戦」を巡る議論は、穏やかで、平和だった学校の日常を変え、
それぞれの教師が抱える問題や、過去の因縁をあらわにしていく。
教師だって、人間だもの。」(楽団ブログより)
本作の舞台は学校ですが、なにがしかのコミュニティに属している人や、何かを発表する立場にある人たち(企業もメディアも表現に携わる人たちも)にとっては、大なり小なり自分ごとであろう「世間」や「風潮」という見えない鎖、そしてこればっかりは性だよねと思う「保身」についてのお話。
目の前で繰り広げられる会話の端々に
「誰かが注意してくれたらいいのに」
「問題があると感じることが問題なんです」
なんて言葉が出てくるのですが、本作の上演中、やましさを一度も感じずに終わる人って、いるのかな。
ああしんどいしんどい。
とは言え、わざわざお金を払ってやましい気持ちを味わいに行くだけなのかというと、多分そうではなく。
本作の何かが妙に気になるのは、
その場では決して確かなものとしては現れない何かが、見た人のどこかに小さな種として宿り、何かの機会に「世間」や「風潮」や「保身」に対する抵抗として芽吹く可能性が少なからずあるような気がするからで。
先生がお母さんに伝える猿役の男の子の言葉は、「それちょっとつくり手に都合良すぎでは…」と思ってしまったのですが、(勝手なことを言いますが、もう一踏ん張りしてほしかった)
作品に対して(自分的に新しい)価値を感じたし、以前見た別の作品をこういう側面から考えることができるかもしれない、というちょっとした発見気分を味わえたので良かったです。
本作の残りの公演は、明日25日(月)20:00〜
26日(火)20:00〜
気になった方はぜひ。
(編)
 
 
 

 

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