弘前劇場『最後の授業』をシアターZOOで見てまいりました。

一つ一つの言葉の重さというか、どんなに他愛のないやり取りでも一言も聞き漏らしたくない、と思わせる、不思議な磁力を感じつつ。
途中、教育実習生が「普段30分で着くところを10分で着いたとしたら、あまった20分という時間はどうなると思います?」(←うろ覚えなので違うかも)みたいなことを話していて、
その20分をエクストラタイムと言うんですよ、と。「〜先生は、そのエクストラタイムみたいな人だなと思います」と言っていたのですが。
何でそんなやり取りが印象に残っているのかというと、
終盤、それまでと全然違う雰囲気の音やイメージが突然展開するのですが、
その後の、夏休み中の職員室での二人の先生の平和なやり取りが、(話の筋からするとそちらが現実なのに)まるで夢の中のような、別空間で起っているような出来事に見えてしまったからで。
その平和で穏やかなやり取りは、つまり、自分の日常でもあるわけですが、
「もしかしたら、今この時間(自分が実際に生きている日常)が、エクストラタイムなのかもしれない」という想いがフッと。
自分と並走するように存在する何か、に、気付かずにいられる特別な時間。
教育実習生は、その先生の何をもって「エクストラタイムみたいな人」って言ったのかなあ。
ステイタスみたいなものに、まだ意味を見出しているところ、かな。
それとも、理想だって努力すれば実現すると思っているところ、かな。

モヤモヤと書いてしまいましたが、全体的にはプッと吹き出してしまうようなやり取りが主ですので、ぜひ明日(15日)14:00からの回(札幌公演千秋楽)を見に行ってみてください。
ワンカップのくだり、おっかしかったなあ。
予約はこちらからどうぞ。(間に合う方は、今日14日19:30からの回でも!)
上演時間は90分です。
個人的に、現代人形劇の沢則行さんに続いてまた一つ、作品に対して信頼を寄せることのできるつくり手に出会えたな、とうれしい気持ちであります。
(編)

 

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