モエレ沼公園ガラスのピラミッドで開催された、Multus♯1。
Multusは、音楽とアートをクロスさせた新しいアートフォーム。東京とアムステルダムを基軸に、2012年から3年計画で発展させていき、主に2台、4台、6台のための複数台のピアノレパートリーを取り上げていくそうな。
その第一回目は、シミオン・テン・ホルト作曲『Canto Ostinato for 2 pianos(2台ピアノのためのカント・オスティナート)』。
(↓こちらは4台ピアノ版です。)
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=JDCsOL2vBJc[/youtube]
演奏は、近年音楽ジャンルのみならず美術作品発表も行っている向井山朋子さんと、国内外で活躍する実力派ピアニスト田村響さん、そして会場の照明インスタレーションはジャン・カルマンさん(←ダンストリエンナーレでも向井山さんとコラボしてました)。
向かい合うピアノの周囲で星のように灯る照明と、それらが映り込むガラス、壁には二人の影…
(会場の雰囲気は、こちらのお写真がいい感じです)
そして、それらを囲む観客の人生をもするすると綴るように、美しい旋律が繰り返されます。
多分、年齢を重ねれば重ねるほど、より豊かにこの曲と対話できるのだろうな。
「オランダでは毎月どこかでこの曲のコンサートが開かれているほど大変有名な曲」なのだそうです。(インタビュー参照)
ちなみに、約2時間にわたる演奏の中でハッと息を呑んだのは、まさに演奏が終わる、その瞬間でした。
ちょうど向井山さんの真後ろに座っていたので、手元をずっと見つめていたからかもしれません。
何の前触れもなく静かに音が途切れた瞬間、手元のライトもスッと落ち。
何と言うか、丁寧に人生を送ってきた人の最後とも重なるような、何とも不思議な感覚でした。
いやー、ホント素晴らしいひと時だった…
本公演を札幌で実現させてくれたS-AIRの皆様、本当にありがとうございます。(※北海道地域連動アートプロジェクト実行委員会との共催)
あ、そしてMultusの今後のプログラム(予定)のところに、ストラヴィンスキー『春の祭典』(2台ピアノ版)が。
これも聴きたいなあ。
(編)

 

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