「即興」と聞いて思い浮かべるのは何でしょうか?
自分の場合は音楽や踊りがまず浮かびますが、即興演劇なるものもございます。
ということで、
札幌で即興演劇に取り組んでいる即興組合の、『シアタースポーツ』を見てまいりました。
の前に、即興演劇について軽くおさらい。
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(彼らのHPリンクにあったimpro-worksのサイトに、即興演劇の歴史が書かれたページがあったので、こちらもどうぞご参照ください。)
上のページに「20世紀に入ってからインプロ(即興)は世界中に広まり」と書いてありますが、それは踊りでもそうだったみたいで。なので音楽も美術も、きっと歴史的には同じだろうと推測。
古くからある権威(踊りの場合はバレエ、演劇の場合はドラマ演劇?)に対して、そんなんつまらん!というのが初期動機だったとして、
即興演劇が基本的に捨てたのは、最初から決まった役の人間(役者)、ですよね?
(↑追記:捨てたのは役ではなく、最初から決まった台詞、筋書き、かな?)
現実世界で予測不可能な瞬間を生きる人間、に舞台上で近づくための手段として、「即興」の手法が取り入れられ、
それをエンターテイメントとして見せるための改良も続き、教育に活用できる可能性も注目され、発想力やその他諸々を鍛えるってことで役者にとって必要不可欠なテクニックの一つにもなっている、ということのようです。
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さて。
『シアタースポーツ』では、3人一組のチームが3つ。各ラウンドごとに最低限の条件(場所とか)を設定し、ときには観客から集めた言葉(事前に紙に書いてもらったもの)も挿入しながら、即興でシーンをつくっていきます。
それをエンタメ、ストーリー、スキル、の観点から審判がジャッジ。最終的に総合得点が高いチームが優勝、という流れです。
即興で何かをするなんてまず無理な自分としては、出演されていた方々に、もうそれだけで敬意。
なのですが、あえて素朴な感想を書くと
即興なのに、予定調和でまとまっている感が否めなかったなあ、と。先が読めてしまうというか…
(でも、前述した即興演劇の歴史ページに、「何が起こるか分からない”瞬間”を生き、筋道の通ったストーリーを創造していく」と書かれており、筋道を通すことが目標なら予定調和で間違っていないのかもしれません…)
唯一、「これは脚本のあるお芝居では、あまりお目にかかれない展開だな」と思ったのは、観客から集めた言葉を次々使って展開していったシーンのとき。
何にもしばられていない言葉運びと、役者が(紙を開いて)その場で初めて出会う言葉を、(ある意味驚きを持って)初めて発する、新鮮さ。
仮に即興で、役者の引き出しからこの域に達するものが出されるとしたら、これはかなりすごいと思うので、「必要不可欠なテクニック」と言われる所以にも納得。
あとは…
私が見た最後の回は、音響と照明(これまた即興)がぐいぐいシーンを引っ張っていたのが印象的でした。
二つの力の大きさを、改めて。
(編)

 

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