昨夜、ナイスコンプレックスN18『ゲズントハイト 〜お元気で〜』を見てまいりました。
ここ最近の中では涙腺の破壊度がすさまじかったもので、「はて。自分は一体、何に対してこんなに心が動かされたのだろうか」と帰り道自問してみたのです。
小児病棟で病と闘う子どもたちの、純真で健気な姿に、だろうか?とも思いましたけど、冷静に考えてみると、目の前にいるのは実際に病気に苦しむ子どもたちではありません。
そういうことを言ったら、演劇って…ということになってしまうよなあ…と思いつつ、一つ思ったのは、現実世界だと数週間あるいは数カ月というスパンで起こるような人間の内面の変化を、ほんの2時間で目の当たりにしたからなのかな、と。
少し本作品について説明しますと、
舞台となる病院では、人手不足でスタッフは常に仕事に追われており、日々人の死と対面し、心を防衛するためなのか、対応には壁を感じさせます。
子どもが入院している母親は、病気は自分のせいではないのかと悩み、子どもはそんな母親を見て心を痛めています。
誰もが、自身の心の中で大きくなっていく不安や不満に目を奪われていて、目の前にいる人をきちんと見ていない。
他人に手を差し伸べているつもりが、実はそれは自分の不安や不満をごまかすためのことでしかなかったり。
そんな状況に、芸人扮するクラウンが象徴する「笑い」が放り込まれるのですね。
「笑い」の力に対しては、劇中、作り手の意思を表示するかのようなシーンがありました。
ちょっとした「笑い」がきっかけで、ひょっとこが現れるシーンなのですけど
昔何かの本で、「普段村で疎まれている人たちも、祭りのときだけは皆と同じように楽しむことができ、それが道化としてのひょっとこの始まりという説もある」みたいなことを読んだ記憶がありまして。
苦しい立場に置かれた人たちが、自分を取り巻く状況に関係なく、誰とも同じ場所に立つことができる、
そういう普段のいろいろを取っ払うのが「祭り」で、いやいや皆さん「笑い」にもそういう力が秘められているんですよ、ということを改めて見せたのが、あのシーンだったのかなと。
そのことに象徴されるように、本当にささやかな「笑い」をきっかけに、登場人物たちはお互いを理解していく、という体験を重ね
それは同時に、自分にもきちんと向き合うということで、それぞれが今すべきことを真摯に行いながら、最後の方では何とも柔らかい表情を見せていくのであります。
ふむ。
本公演はシアターZOOで11/4(日)まで。詳細は上のリンク先をどうぞ。チケットはこちらから。
「もみあげ」という人の変化が、何と言っても秀逸です。
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