BLOCHからのハシゴ観劇、お次はwaqu:iraz[Trio]@シアターZOO

こちらもアーカイブ配信していました。

その時代時代の規範から外れたために「魔女」と呼ばれてきた女性たちの言葉や、先日読んだアンジェラ・サイニー『家父長制の起源』を地で行くような男性サイドの(現代においては珍妙に響く)女性観が語られながら、

言葉は、より「現代を生きる女性」に、というか「今、生きているわたし」にフォーカスされていくのですね。

そうして最後に3人がそれぞれ「今の自分の思っていること」を語るのだけど、その内容がとても繊細で。

生きていく上で、どんな人もその時々の葛藤や逡巡のようなものを経験していると思うのだけど、同時にそれは毎日やってくる生活の前に一旦は傍に置かれるもので。

何と言っても、私たちは日々をサバイブしていかないといけないですから。

そうして、自分の心の内は「取るに足らないこと」として、たいていは語る機会を与えられない。

でも、そうやって自分で自分の心の内を軽んじてしまうのではなく、ああやって語ること、そしてそれを聴く時間がとても大切なのだと最近は思っています。

なぜかというと、女性が自身で軽んじてきた(おそらく男性中心の社会の中で軽んじられてきた)心の内をきちんと見つめて語るとき、聴いているこちらには「泣きそうになる」感覚があるから。

そして、その「泣きそうになる」感覚というのは、自分が見ないできた胸の奥の部分に気づかせてくれるものだから。

気づいた以上はそれを無視できないし、そこからまた新たな語りが生まれていくのだろうし。

なもので、そういう演劇をもっと観たい。

そんな思いを持ちながら作品を観終えたので、終演後に少しだけど本作のつくり手の方と話せて良かったです。

(編)

 

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