少し日が経ってしまいましたが、先日ほろびて『あでな//いある』(配信版)を拝見。

日本社会における在留外国人の数は300万人を超えていて(2023年6月末で永住者は88万ちょっと、ついで多いのは技能実習の約36万人とな)、

にもかかわらず、不可視化されている人たちも非常に多い。

さらには上記の数にカウントされていない仮放免中の人たちや、入管施設に収容されている人たちもいる。

技能実習や仮放免中の人たちに対する制度って、脆弱すぎて非人道的というか、本当に問題が多いと思うのですけど、本作にはまさにその脆弱なシステムの中で生きる人たちが出てきて、マジョリティ側として心が痛かったです…。

加えて

移民や難民を拒絶する動きはどの国にも存在するものだけど、その「異質な他者」の否定がどのような心理からくるものなのか、本作の登場人物「いべ」を見ていて考えさせられた次第。

心に傷を負ったいべがその傷を克服していく過程で、自分が傷を受けたという事実を否定するために他者へ責任転嫁してしまうこと。つまり自分を肯定するために他者を否定してしまう心理が描かれており、

それはいべのどうしようもない弱さなのだけど、そうすることでいべが社会復帰への一歩を踏み出せたのだとしたら、その弱さを肯定はできないけど責めることもできない…という難しさを感じつつ。

そんな中で、「私のハサミはそんなことに使わない」という美容師の信念には胸を打たれたし、最後に食事を共にすることで否定の呪いが解かれる可能性を見いだせたことに泣けた…。

呪いの鎖にがんじがらめになっている人たちの、その鎖をほどくのは、人間という存在に対する、信念に近い愛情なのだなあ。

その愛情が、人間という存在がいとも簡単に消失することを目の当たりにしたことで強く生じたという美容師の背景も辛かった…。

観れて良かったです。

(編)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA