三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』@シアターキノ
最後、とても良かったです。ケイコが劇中言うように、人は結局は一人だけど、気づかないうちに刺激を受けたり、目標を見出させてくれたりするのは、いつだって他者の存在で。
自分でも掴めない、ましてや外からは見えづらい内面のさざ波がスクリーンに淡々とあって、見入ってしまった。
久しぶりにネトフリからは
『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』
と
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
ピノキオの話ってきちんと読んだことがないのですけど、本作ではムッソリーニと戦争のことなども描かれていて、ああ〜確か原作はディズニー的な話ではなかったのだっけ…と思い出しつつ。
100分de名著で、原作「ピノッキオの冒険」が紹介されていて、参考になりました。原作読みたい。
続いて読んだ本。
一冊目は楡周平『羅針』
※本書についてはこちらの書評「水産業の変化と父子の相克を描く正統派の海洋冒険小説」も参考にどうぞ。
先日、熊谷達也『海峡の鎮魂歌』を読んだときに母船式北洋サケ・マス漁のことも出てきて、自分の叔父が独航船に乗っていたこともあり、母船式北洋サケ・マス漁のことが出てくる小説も読んでみたいなーと検索して見つけたのが『羅針』で。
本作で主人公が乗ったのは高速冷凍船。大時化で遭難してしまった独航船のことも書かれてて、叔父の生きた世界を思ったなあ。南氷洋捕鯨も凄い世界でした。
この辺を描いた小説もっと読みたい…。
余談ですが、女性の漁師が出てくる小説とかあるのかな?と思って検索してみても見つけられなくて、実際に女性の漁師さんというのは陸上作業や水産加工に従事する女性と比べると少ないんですね。
ささっと検索して出てきた記事をいくつか読んでみたのですけど、この記事では「女性であることでぶつかった壁は?」という問いに対して、「女性だから…と思われるのが嫌なので、率先して動いている」と答えながらも、
でもやっぱり、どうしても重いものは、周りの人が助けてくれたりして支えてもらっています。仕事をし始めたら、身体的な差はどうしてもあるなと感じます。その壁をどのようになくすのかは課題です。85歳の現役漁師の祖父と一緒に働いていると、身体的な差は女性だけでなく高齢者にもあると感じます。機械を上手く利用して身体への負担が軽くなれば、性別や年齢の壁がなくなって、みんなが笑顔で働ける漁業の環境が作れるのかなと思います。
とあり。できない人に合わせた労働環境を構築すると、その他の人たち(今までできると思われていた人たち)にとっても働きやすい環境となる。ということがここでも…と思った次第。
早く全てがそうなればいいのに。
お次は桜木紫乃『ラブレス』。
以前『ホテルローヤル』を読んだことはあって、何となくそれきりになっていたのですが、『ラブレス』めちゃ面白かったです…。
百合江が言う「親だの子だのと言ってはみても、人はみんな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい」には、「ですよね!!」となったし、すっかり手前勝手に生きてる。
次は『氷の轍』を読んでみたい。
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