前回に引き続き、
12/28(月):『ハイディ・シュレックの討論会 〜私にとって憲法とは〜(原題:What The Constitution Means To Me)』@アマプラ
2019年のトニー賞演劇部門作品賞ノミネーション&ピュリッツァー賞ドラマ部門ノミネーション作品。
15歳の頃に母親の勧めで全米各地の憲法に関する討論会に出場して賞金を獲得し、大学費用をまかなったハイディ・シュレック。
が、当時の討論会を再現しながら、曽祖母から自身に至るアメリカ人女性の歩んだ道を、憲法と絡めながら語る舞台作品(オフ・ブロードウェイで上演)の記録映像です。
これ、無茶苦茶よかった…涙。予告編は英語版しか見つけられなかったけど、普通に日本版のアマプラで見れるので、ぜひ見てみてください。
DVで亡くなる女性の数に触れるくだり、「愛されているはずの相手からの暴力によって命を落とす」というようなセリフがあって、そうだよな…と思いつつ、被害者が警察や裁判所に訴えても救済されないシステムってなんなの…。
憲法も国政も、システムを作る側の人たちの構成が(性別だけでなく)多様であることの大切さを感じまくる日々です。そう考えると、木村氏と舩後氏の当選って本当に意義深いことだなあ。
本作の日本国憲法版みたいなのもあったらいいのにな。(ちなみに、早稲田小劇場どらま館の文芸部が「憲法を使う演劇作品たち」を4本紹介してくれてました。あとは『誰がために憲法はある』でしょうかね。個人的には、白玉さんとかつくってくれないかな…とか。)
12/29(火):前日の『ハイディ・シュレックの討論会』の余韻から、レベッカ・ソルニット『それを、真の名で呼ぶならば』の続きを。
直接的な目的の達成のみで物事の価値判断はできないって言葉が、後半に説得力を持って伝わってくる内容。長期的な視野を持って社会運動をすることの大切さを説いているのですが、
「自分にできることをする」「それが間接的に、誰かの何かを後々変えるきっかけになりうる」というのは社会運動に限ったことではなく、その結果「未来を見ることはできないにしても、過去は自分のものにできる」という言葉が素敵だなーと。
すぐに結果に現れなくても「それをやった」という過去を自分のものにできるって、「何もしなかった」過去より何倍も良いな。
アメリカの歴史、次は『Caste』に原文で挑戦してみようかなー。
この日はPolka Theatre『A Christmas Carol』も。
クリスマスシーズンに大量にゴミとなるダンボールやラッピングペーパー、プチプチなどを再利用して作られた人形劇で、イアン・ニコルソンが演出・出演。
イアン・ニコルソン、地味に4月以降、彼の関わる配信作品をちょいちょい見ているのですが、フィジカルコメディー&児童向け演劇や人形劇専門のフリーランスの演出家なんですねー。
今月中(2021年1月)には、ウエストロンドンにあるアートセンター「Watermans」のオンラインプログラムで新作が発表されるみたいで、こちらも楽しみ。
12/30(水):OrganWorks LIVE配信「Spread on Air 」#5
3部構成で、1〜2部では過去作品のシーンを映像も交えて紹介、3部は小作品。全編は1週間くらい公開されるみたいで、その後ダイジェスト動画が公開されるのかな。彼らのYoutubeチャンネルからチェックしてみてください。音楽も素敵っす。
ちなみにストア(Tシャツとかも買えるよ)から、投げ銭チケットを購入する形で応援もできますよ。
12/31(木):『A History of Water in the Middle East』@Royal Court Theatre
Sabrina Mahfouz作・出演で昨年秋に上演された作品が、随所で流れるアラブ音楽も素敵なオーディオ作品として無料配信。1月中に、耳の聞こえない観客のために上演台本も公開されるそうで、それもありがたい。
大英帝国(とフランス)による中東の植民地化と、現代に続く中東の地政学的な重要性など、本作の下地になっていることをおさらいしたい…。あと『世界の起源』もこのタイミングで読書再開したい。
あと、中東と帝国主義、中東情勢あたりで検索すると、興味深い考察がたくさん見つかって、一通り読んでみたい。特にこれとか、この辺り。
1年の最後を、後追いのたくさんしたい作品で締めることができて満足です。うおー
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