続いて、シビウ国際演劇祭(FITS)2020のオンライン・エディションの19日(金)。この日は結構心が動く作品ぞろいで疲れた…。
まずは私の初めての担当カンパニーだったTeatro dei Venti!!!
2017年の国際ボランティア滞在時に、最初に担当した北イタリアのモデナを拠点とするカンパニーです(2017年のシビウ滞在時のブログはこちら)。その後もカンパニー・メンバーの一人とはたまに連絡を取っていて、2018年の年末に「新作できたよー」とメッセをもらっていたのが、この『Moby dick(邦題は白鯨)』。
オンライン・エディションでは、このドキュメンタリー↓が配信されました。
Moby Dickの肝となる大きな捕鯨船かつ鯨も船上に登場するメカニカルな舞台美術は、上の動画で話している若者がデザインと設計をしたそうで、「大学を卒業してすぐに、予算に制限のない、こんな仕事を任せられて超幸運だった」と話してました。すごー!(もちろん、経験豊富な工房の親方のサポート付き)
キャストが劇中、船上にマストを手動で起こすなどの作業もこなすため、安全性にはかなり神経を使い、また実際にキャストが動かすことによってリアルさが担保されるという親方の話も興味深かったなー。
難民も含めた地域住民や刑務所の受刑者たちと作品制作するTeatro dei Venti、俳優の一人が「テクニックはもちろん大事だけど、テクニックのなさが参加を妨げるなら、ファック・テクニック!ですね」と話していたのも、なんかよかった。
そして、この巨大な舞台美術を持つ作品を広場で上演するのが彼らのスタイルで、(FITS2017でも正味3日間で2作品を上演したので、セットや大道具を組んでは解体でめまぐるしかった…。上演前日、1作品目上演日、2作品目上演日、イタリアへ帰国する日、のブログはそれぞれリンク先からどうぞ。)
ドキュメンタリーではMoby Dickをローマの広場で上演した時の様子が流れるのですが、大量の舞台セットを運ぶための大きなトラック1台を前日に一回り小さいトラック2台へと変更しなければならなくなったり、搬入〜上演をかなり限られた時間で行わなければならない中、直前まで広場使用に伴うセキュリティー上の諸々が二転三転したり、さらには天候が悪化したり…と、寿命が縮むような出来事のオンパレード。
そして奇跡的に雨と風が止み、開演!した直後に最大のアクシデントが勃発。ディレクターのステファノもこの時ばかりは血の気が引くような思いをしたそうですが、急遽演出を変更し、見事その先へと進むことができたのでした。いやー、この場面は私も泣いたわ…。
鑑賞後、速攻メンバーの一人にメッセージ。来年FITSで再会できるといいな。
来年はまたヴェネツィア・ビエンナーレの年ですしね、FITSからのビエンナーレ、からのモデナとか、いいな〜。彼らの本拠地、お邪魔したーい。
それにしても。
FITSのボランティア経験者は、それぞれの担当カンパニーとこういうつながりができるわけで、これってすごいことだと思いませんか?特にシビウの高校生とか、毎年ボランティアとして参加していたら、すごく素敵なコネクションが世界のあちこちにできるわけで、これは羨ましい…。
まあでも、カンパニーによってはめっちゃライトな関わりで終わるところもあるし、こうやってずっとやり取りできるカンパニーと出会えたことは、すごく幸運なことなのだろうな。
長くなってしまいました…!
次に続きまーす。
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