日曜日の午後から、第48回札幌人形劇祭へ。札幌人形劇祭を見るのは初めての自分。どんな感じなのかなーと思いながら、いざ。
午後は、砂川のこひつじ座(一般の部)による『あらしのよるに』からスタート。『あらしのよるに』… 久しぶりに触れたけど、攻めた設定というか…涙腺が…。
普段、小さな子どもたちを前に親密な雰囲気の中で上演されているのだろうな、と思うつくられ方でした。涙腺が…。
お次は人形劇団ポンチョ『白雪姫』(こどもの部)。中高生対象のパペットユーススクール受講生による劇団の一つです。(他は、人形劇団ぶるどっく、人形劇団バーコード、人形劇団ベジタブル、で合ってます?)
浄瑠璃人形をお妃役に使い、伝統の決まりごと(技)が異質なシチュエーションで発揮されることの面白さを狙った演出は、人形劇講座と人形浄瑠璃講習会の両方を学べるやまびこ座・こぐま座を経由した子どもたちの、得意技になりつつあるような。
机と椅子の組み合わせで舞台上の景色を変えていこうとするところにも、挑戦を感じました。「もの」に対する感度と発想力、高めていってほしい〜。
次は、函館からの人形劇団えぞふくろう(一般の部)による『平蔵と雀』。イヤホンやサングラスをつけて出てくる雀の群れ、かわいい。
農家ネタが挟まれていて、つくりようによっては、現代における野生動物と人間の経済活動の軋轢に想いを馳せることができそうなテーマだと思いました。ここを突っ込んだ人形劇も見てみたい。
次は人形劇団ボンド(一般の部)から須磨康平さんの新作一人芝居『いちがんこく』。
このブログ内でもたびたび名前が登場しているボンド(ブログ一覧はこちら)。見世物小屋の人魚が出てくるシーンは、安定の(変な)成長ぶりを再び確認できて、笑ったなー。
これからさらにいろんなものを見て、ヘンテコ精神とそれを形にする術を独自に磨いていってほしいです。
お次は新琴似南小ミニ児童会館パワフル劇団による『古事記〜このよのかみさまものがたり〜』(こどもの部)。
ヤマタノオロチの登場シーンが楽しい。そして、16名の団員がいるってのもすごい。放課後、人形劇づくりに勤しむ時間があるってのも素敵だなー。
次は、函館から人形劇団ユニットKUN『はい、はい、こちら妖怪探偵社』(一般の部)。
何と言っても、探偵社所長の渋い声と動作が良い。3人の操作者のキャラがにじみ出ているというか、安定の20分間でした。
そろそろお尻が痛くなってきたあたりで、とりは人形劇団ベジタブル『桃太郎裁判』(こどもの部)。
桃太郎の爽やかな佇まいと声が印象的。裁判長、検察官、弁護人の人形の、大きな存在感が目に楽しかったです。大きな、といえば本作、結末に大きな「?」をぶん投げて突如終了した(ざわつく客席)のですが、判決は…?
当日配布のパンフレットには、歴代の受賞作品(札幌人形劇祭は審査員によるコンペティション形式のフェス)が掲載されていて、今年は歴代3番目に多い26劇団が参加。中でも、子ども劇団が増えてきているのが良い傾向なのだと思います。
賞を取っている一般の部の劇団名を見ていると、こぐま座の公演スケジュールでよく目にする劇団も多く、こうやって長年にわたって切磋琢磨してきたのだなーと実感。
個人的にはこどもの部の受賞リストに並ぶ、こぐま座こども人形劇団(小学生)、パペットユーススクール(中高生)受講生によるいくつかの劇団、新琴似南小ミニ児童会館パワフル劇団、函館の劇団わんぱく、(今は一般の部へ巣立ちましたけど、数年前まではここに人形劇団ボンドも。)
という面々の、デッドヒートぶりが気になるところです。
劇団わんぱくは、岩崎義純さんによる著書「こどもの劇場が街を変える」でも、こども人形劇団の良いライバルとして紹介されていましたっけ。今年は、劇団わんぱくが最優秀賞を受賞したのでした。アツい!
劇団わんぱく、日曜日の午前中に上演されていたので、自分は見逃したのですが…。来年はぜひ見てみたい。
ということで、最後に今年の受賞リストを。2日間で26作品を審査した審査員の皆さまもお疲れ様でした〜。
【こども部門】
最優秀賞 
「泣いた赤鬼と青鬼」(劇団わんぱく)
優秀賞
「ぴっけやまのおならくらべ」(砂川こども人形劇団おりおん座)
「わらのうし」(人形劇団バーコード)
「桃太郎裁判」(人形劇団ベジタブル)
「古事記〜このよのかみさまものがたり〜」
(新琴似南小ミニ児童会館「パワフル劇団」)
奨励賞
「だんだんのみ」(三角山小ミニ児童会館「トライアングル騎士」)
「アレクサンダとおもちゃのねずみ」(人形劇団ペンシル)
ロシアのお話「バーバ・ヤガー」(こぐま座こども人形劇団)
特別賞
「白雪姫」(人形劇団ポンチョ)

【大人部門】
最優秀賞 該当なし
優秀賞 初心者の部
「注文の多い料理店」(人形劇団にじいろ)
一般の部
「銀河鉄道の夜」(人形劇団ゆるりっか)
「あらしのよるに」(人形劇団こひつじ座)
奨励賞
「貧乏神と福の神」(劇団トミー)
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(編)
 

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