2019年の演劇初めは、帯広北高等学校演劇部『放課後談話』。

画像引用元 https://d-sap.com/obihirokita-houkagodanwa/

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札幌演劇シーズン特別プログラム「北海道高校演劇SpecialDay」参加作品です。
札幌の演劇情報を中心に発信する「d-SAP」(←素晴らしいサイト)によると、この「北海道高校演劇SpecialDay」というのは、その年度の全道高等学校演劇発表大会で受賞した作品を上演する企画だそうで、2017-冬からスタートしたとのこと。知らなかったなあ。
で、本作。
登場人物は、放課後の玄関ホールで親の迎え待ちの多田(たった一人残った演劇部員)と、長崎(ケガのため大会に出ずに弓道部を引退)という、男子二人のお芝居です。
実際の演劇部も、多田さんと、舞台美術に興味を持って入ってくれた美術部の沼口さんの二人で活動しており、多田さんが長崎さんに声をかけ、何とか3人で地区大会に出場したそうで。
『放課後談話』は、多田さんが長崎さんを演劇部に誘う、まさに現実にあったであろうやり取りが重ねられていくお話。
以前『ジユウダイ!』で紹介した札幌琴似工業高校定時制演劇部『北極星の見つけかた』も、あて書きによって登場人物全員がほぼ「リアルな自分に当てはまる」役柄を演じていて、それがやっぱり、他にない魅力と強さとなって現れていたなあと思い出しつつ。
もちろん、実話ベースや「現実の自分自身と同じ役柄を演じる」タイプの作品じゃないもので、魅力的な高校生の演劇作品も見たことがあるから、こおいう言い方にはとても慎重になってしまうのだけど
それでも、やっぱり、長崎が多田に「なんでお前一人になっても続けてるわけ?」と聞いた後の、多田の沈黙と、そのあとの返答の瞬間には、
無数の人の生活がある北海道の、地方の高校の、校舎の片隅で、演劇を続けたいと願っていた一人の男子生徒の輝きと言いますか、
夜空に無数に存在する、特に名前を知られてもいない小さな星が、ふと瞬いた一瞬の輝きを偶然目にしたような感覚があって、何だかグッときました。
良い演劇初めだったなあ。
d-SAP内でも、本作について紹介記事が書かれているので、ぜひこちらをチェックしてみてください。
「北海道高校演劇SpecialDay」って、良いプログラムですねえ。
(編)
 

 

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