昨日は、一晩ぐっすり寝て体力が回復したところで、10時からのプレスカンファレンスへ。
一人目のゲストはAna Pinhal。トーク中、2回ファドを歌ってくれて、夜のコンサートに行くことを決意。
Saiu氏が「演劇的観点からの質問なのだけど」と前置いて、いくつかの場面で歌うときに「目を閉じる」ことの意味を聞いていて、彼女が「その言葉の真実に触れるため」と答えていたのが興味深かったです。
若い頃はファドが嫌いだったけど、大人になって人生を知って良さがわかったというのも素敵。伝統的なものは、皆そういう側面を持っていますね。
二組目のゲストはAcrojou。
アウトドアで、こんなに長い間滞在して作品を上演しているの、珍しいな。
11時からのGeorge Banu氏によるスペシャル・カンファレンスは、モニターで。
これは途中で抜けて、お昼ご飯を癒しのレストランで食べて、
13時から欧州文化首都(European Capital of Culture)とFITSのボランティア・プログラムに関するカンファレンスへ。
左から2021年Novi Sad(セルビア)のボランティア・コーディネーター、2019年Plovdiv(ブルガリア)のボランティア・コーディネーター、Saiu氏、FITSボランティア・プログラムからリリアナと、真由美さん。
これはとても良い取材になりました。なんとなく、FITSは、舞台芸術のフェスだからボランティアがうまく機能している気がしなくもないんだよなー。
これをそのまま現代美術のフェスに適用させようとしても、作品の受容体験がアーティストと空間と時間を共にすることと結びついている舞台芸術でのボランティア体験とは、全く性質が異なるものになるのは避けられないんじゃないかしら。
ボランティアは「人とコネクトする」ことが一番の面白さ&収穫だと思うのだけど、現代美術のフェスだとボランティアがコネクトするのは主に観客で、FITSの場合はパフォーマーやゲスト、というのが大きな違い。
フェスティバル・クラブに行けば、担当外のアーティストはもちろん各国からのゲストとも話せるし。そうやって、ボランティア体験を通して自分の可能性を発展させていける点が、FITSはとてもよく機能しているなと。
で
16時からはAstérios Spectackes(フランス)『À Vif』を。
英語字幕に追いつくのに頭を使いすぎて、後半疲労感が…世界からの演劇を、自国の言葉(字幕だけど)で見ることのできるシビウの人が羨ましいっす。
続いて、午前中の記者会見で知ったAna Pinhalのコンサート。
入れて嬉しい。
ちなみに彼女が歌い始めた直後、なんと私の隣の方の席から「ワン!」と元気な犬の鳴き声が聴こえてきまして、後方部にいたお客さんがざわつく事態が。
まさかの犬同伴でコンサート(このしっとりしたコンサートに!)を聴きに来ていた男性がいて、そのあともう一度「ワン!」と犬が鳴いたので、さすがにスタッフが犬を外に繋いでおくか退出するか男性に説得を試みるも、男性は頑として動かず。
逆に、説得するスタッフが周りのお客さんから「シーッ!」と注意されるという映画っぽいシチュエーションで、ヨーロッパ感ありました。(ワンちゃんはそのあとは静かにしていて、お利口さんだった。)
20時からはKolben Dance Company『On The Edge』。
音楽の効果もあって、物語の断片を想像しやすい作品。先ほど聞いてきた記者会見で本作の振付家が話していたのですが、自身が以前ミュージシャンだったこともあり、音楽はかなり批評的に使っていると。
彼の作品の中でも、本作は特にそういう意味で際立っているそうです。へ〜
最後は、Luca Silverstrini’s Protein『Border Tales』
イギリスの多文化社会を、ダンス、生演奏の音楽、パフォーマーの個人的な経験をまとめた対話を通して考察するような作品。
これが演劇ではなくダンスであることの意味は、自分的に、バックグラウンドが染み付いた身体の説得力というか、
その身体でさまざまな偏見や誤解、好意のすれ違い、アイデンティティの葛藤を引き受けると同時に、
彼らが呼吸を合わせた時の、「人間という生物としての違いのなさ」が、視覚的にストンと入ってきたところ、かな。
ちなみにこれ、エディンバラのfringe部門で賞をとった作品みたいです。こういうところに演劇祭間のネットワークを感じたりもしたのですが、実際、演劇祭間のネットワークづくりはどういうところに活きてくるんだろう?(この辺のトークに全然行けてない…)
FITSの取材は、身体が一つじゃ足りないですねー。
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