月曜日はシアターZOOで劇団パーソンズ『宇宙のはしっこ、はんぶんこ。』を見てきました。
↑このフライヤービジュアルと舞台美術が、当日パンフにあった「輪郭の淡い、滲んだ水彩画のような作品」という言葉を一番表している気がします。
逆を言うと、作り込まれた写真世界と舞台美術を超える「言葉」や「人物」が、舞台上に現れたとは私は思えなかった。
ちょっと自分に引き寄せて書きますと、
あそこでやり取りされていたロマンチックな言葉たちは、自分にとっては、20代前半の頃にまさに散々ノートに書き殴っていたすごく馴染み深い言葉で。
死とか、恋とか、別れとか、この世界に対して、自分の心の中にどんどん潜っていって拾い出してきたような言葉。
なもので、本作を見ていると、どうしても「こちとら、その道は散々通ってきていますので」という気持ちになるんだな。
ただ、良くも悪くもそういった言葉を外に出す勢いがなかった自分としては、これを公演という形で世に出してきた彼女に対して、その素直さというか、やりたいことをやる貫徹ぶりというか、
なんかこう、バサッと切れないものがあったりもする。
そして、実際、全少女が心の中で唱えてきたであろう「○○と一緒にいたい」とか「私、もうすぐ行かないといけないんだ」(←死を予告する言葉)とか、そういった類の言葉たちが、
目の前で、感情にのって、震える声色で発せられる時、
やっぱり、心は反応してしまうわけです。
畠山さんは、この「声」を聴きたくて、この作品をつくったのかなーと思ったもんな。
ただ、「声」を聴くならアニメーションでもいいし、ライトノベル、あるいはマンガなら脳内再生で完璧な世界をつくれる言葉たちを舞台に引っ張り出すなら、やっぱり二次元ではなしえないところに引き上げてほしい。
もっと半端ない深さまで潜って言葉を探し出すのか、観客をうっとりさせる魔法を見つけるのか。
フライヤービジュアルの雰囲気がそのまま舞台上に現れていたら、かなり新境地な作品になったのでは、と思います。
輪郭の淡い、滲んだ水彩画のような三次元、出会ってみたいですねえ。
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