先週の木曜日は札幌座『禿の女歌手』を。
1948年にイヨネスコによって書かれた本作。イヨネスコは、ベケットなどとともに不条理演劇の旗手と言われているお方です。
パンフレットによると、ルーマニアに生まれてパリに育ったイヨネスコは、英語の勉強のために初心者用英会話入門書を買い込み猛勉強。それをきっかけに
「私は英語ではなく、驚くべき真実を学んだのでした。たとえば、一週間は七日であるというようなわかりきったことだとか、あるいは床は下にあり、天井は上にあるとかいったことで、これもたぶん知ってはいたのでしょうが、いままで本気で考えたことがなかったか、もしくはわすれてしまっていたような事柄です。」
劇中も、夫婦が「自分たちには数人子どもがいる」とか「ロンドン郊外に住んでいる」とか話し始めるの、おかしかったなー。
マーチン夫妻(記憶喪失気味なのか?)のやり取りも笑った笑った。
厚紙でできた舞台セットの中で彼らがちょこまか動く様子は、不思議の国のアリスのしかけ絵本とモンティパイソンを足して2で割ったような雰囲気で、かなり好きでした。
それにしても、不条理演劇ってつくり手によっては全く楽しめない場合もあり、その違いは何なのでしょうね。
潔く意味を手放すことができているかどうかとか?
人間の存在をうまくフェイクにできるかどうかとか?
うーん、わからん。
ということはさておき、
札幌座のPit公演(実験的・先駆的取組みの公演や、若手を中心とした配役で国内外の名作や前衛劇に挑戦する公演)は、演出家(今回は清水友陽さん)にいろいろ話を聞いても楽しいだろうな、という印象。
前回の『ブレーメンの自由』も面白かったもんなー。
余談ですが、
外国語の教科書に出てくる例文って、実際に使う機会はほとんどないものですが、
ギヨームが日本語を勉強しているとき
「あそこにある大きい網はゴルフの練習場です」みたいな例文がとても印象的だったそうで、当時は「でも、こんなこと言う機会ないだろ!」と内心つっこみつつ、実際に日本に来てから言う機会が訪れたときは大層驚きだったそうな。
「あそこにある大きい網はゴルフの練習場です」
か。
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