昨日はもう一つ、北海道ダンスプロジェクト(HDP)公演『新たなる挑戦 〜New Challenge〜Ⅲ』へ。
1部はHDP加盟団体のスタジオ作品。
2部はコンテンポラリー作品の公開アドバイスと、前回特別賞を受賞した加藤正汰郎さんの作品。
3部はゲストの岩渕貞太さんと関かおりさんによる『Hetero』と、HDPの合同作品。
計4時間にわたる長丁場な公演となりました。
1部は、ラストを飾ったダンススタジオ マインド(舞人)が圧巻。巨大スクリーンでの映像をバックにあれだけのダンサーが踊ると、迫力ありますねえ。
ダンサーさんが舞台に入ってくるときとはけるときが、みな侍的な中腰姿勢で。あの感じも良かったです。
何と言うか、歩く走る、あるいは立っている、ってときにも「踊っている」と感じさせる方がいますけど、「それはないかなー」と思っていたところに、侍姿勢は映像の感じともマッチしていて美しいなと思いました。
2部の公開アドバイス作品も、自分は別に専門的な目は持ちませんが、そんな自分でも、やっぱり前回よりレベルが上がっているなと感じるものが。
ステキ。
個人的には、全体的に、音(曲も含む)の使い方に関してもっと精度が上がっていけば、さらに良いかもと思いつつ。
齋藤智仁さん『文字とバケツの形而上学』のそこはかとなく漂うユーモアや、桑原彩音さん『Q』の手をつないだ瞬間に巻き込まれていくシーンとか、好きでした。
浜田純平さん『I am you』も、中盤彼の踊りに引き込まれる感覚を味わったり。
加藤正汰郎さんは、前回からとても進化していて驚きました。ソロで、あの大きなステージで、あんな風に余分なものを削ぎ落として軽やかに遊べるなんて、すごい。
特に印象的だったのは、フワッと跳んだ瞬間の、まとっていたスカーフ生地の美しい揺れと身体の動きがリンクしたとき。
あの一瞬、素晴らしかったなあ。
これからが楽しみな方であります。今春、教育大学岩見沢校に進学するそうですよ。
そして。
ゲスト作品の『Hetero』。
ほぼ無音状態の中、ゆっくりと変化していく二人の身体の関係性と、ひそやかに角度や強さを変えていく照明が素晴らしい。
音は、5分に一回くらいの割合で挿入される「ため息」のみ。はー。
その前のアドバイス作品のときに、乗越さんが「抑えた中での展開の仕方や、途中で何度もリフレッシュしながら観客をひっぱっていく」ということをおっしゃっていたのですが、
本作品は「まさに。」という感じで。
1,000人以上の観客も含めての、あの無音状態ですから、なかなかに(見る側としては)サディスティックな環境だったのですけども…
でもすごかったです。
良い作品にたくさん出会えて、大満足であります。
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