近年は一冊の本を読み終えるってことがなかなかなくなり、読みかけの本が増えていく一方なのですけど、そんな中でも(珍しく)読み切った本もあるので、忘備録的に。

オスカー・ワイルド『幸福な王子』

子どもの頃に絵本で読んで以来の『幸福な王子』はもちろん、若い学生が恋人にささげる赤いばらを一羽のナイチンゲールが死をもって与える『ナイチンゲールとばらの花』も、今読むとことさらに胸が痛い…。

『忠実な友達』とかも、オスカー・ワイルド辛辣すぎないか…と思ったりもしたのですが、そこで描かれるのは最近滅多に触れなくなっていた想像力を刺激する修辞たっぷりの世界で、童心に返るような思いで読んだ次第。

83 original / 95人の生活本『4162024830PM』

上のリンク先から以下引用。

てんでバラバラな95人の同日時日記本。2024年4月16日火曜日、夜の8時半(一斉!)にはじまり、およそ15分から1時間の出来事、なにげない日常生活のヒトコマをテーマに各々が綴りました。

こういうのを延々と読んでいたい…。すごく良かったです。

映画『鹿の国』公式ガイドブック

川の方へ行く時は、どこで見たのか忘れたのですけど「ほーう、ほーう」的な声を出しながら歩いているのですが、御室での神事芸能再現の演出・監修を手がけた宮嶋隆輔氏の寄稿に「『ホウ』という音が鳥や獣を追い払ってくれるという発想は古いものらしく、中世諏訪社の『鳥追い』にすでに見られる。」とあり、へー!と。

さらに映画が描いた「自然の恵み、生命の循環」というテーマは「江戸、中世、それ以前の諏訪の人々との世界観とはかなりかけ離れて」おり、「もっと具体的で生々しく、力動的な世界」なのだそうです。へー!

大祝(おおほうり)、神使(おこう)もやっと読み仮名なしで正しく読めるようになったのも、地味に嬉しい。ガイドブック内に何度も出てきて、やっとこさ脳にインプットされました。

現代日本建築家全集

村野藤吾、アントニン・レーモンド、そして今読んでいるのは吉村順三でっす。

70年代に編まれた全集に出てくる文章は、例えば吉村順三の建築に対する考察だと「人間の深慮から由来する建築の機能性と存在」といった感じで、いちいち格好良い。普段全く意識せずにいる家やいろいろな建物、空間に対する視点の発見があって面白いなーと、最近せっせと読んでいます。

ちなみにオスカー・ワイルド、現代日本建築家全集、下の図録は一典家の本棚から。自分の本棚とはまた違うジャンルが充実していて、建築本や美術書など読みたい本がてんこ盛り。ありがたや〜。

カーサブルータスを熱心に読んでいた20代前半の頃は、建築目当ての旅を何度かしたことがあったことも思い出し、今年久々にそういう旅行もする予定。楽しみ!

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ

展覧会が気になりつつ見ることができなかったので、図録で。蜘蛛に対するイメージが変わったなー。

読み切るってやっぱり気持ち良いので、久々に復活した「夜は読書タイム」を定着させたいものであります。

(編)

 

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