TO OV cafeで開催中(2/9まで)のモリケンイチ セレクションvol.1 “Into that good night” ですが、初日が1/24で金曜スタートだったため、ちょうど前日に寄ったときに搬入しておりました。
搬入作業って、自分は滅多に見る機会がないから新鮮。ひと段落したっぽいときに、ひと足先に作品を拝見してお店をあとにしたのですが、後日ステイトメントなども含めてきちんと見ようと再訪。
搬入後にチラ見したときには気づかなかったのだけど、自分が一番好きだと思ったこの↓おじさんの絵(部分)
の隣にある絵がこれ↓で
在廊してます
P10(530×410)
Oil on canvas
展示中 購入可モリケンイチ セレクションvol.1
“Into that good night “
-9.Feb.2025
TOOV cafe/gallery
日〜木10:30~19:30(LO19:00)
金、土 10:30~20:00(LO19:30)
月曜休廊作品のお問い合わせ
☎️ 011-299-6380
Email: toovcafe@gmail.com pic.twitter.com/1lHSU06FXQ— モリケンイチ (@morikenartist) February 1, 2025
めっちゃ同じおじさんじゃないですか!
これ、飛ぼうとしているおじさんの1年前に描かれたもので、こんな悲哀に暮れた様子でお酒を飲んでいるのに、1年後にまさかの飛翔…なんとドラマを感じる並び!心境にどんな変化があったの!おじさん!
ってなことを在廊していたモリさんに話したら、(本人は全く意識していなかったそうですが)「おじさん、責任を取らされたんじゃないですかね」って言ってて笑いました…。
ちなみに、本展を企画したTO OV一典さんによるステイトメントの中にタイトルの説明もあり、確か前回の個展タイトル(だったかな?)とのつながりで、ディラン・トマスの詩「Do Not Go Gentle Into That Good Night」からとったというような記述があって、詩の全文も掲示されていたのですね。
それで初めてこの詩を読んだのですけど。(以下、Academy of American Poetsから引用。)
Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light.Though wise men at their end know dark is right,
Because their words had forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.Good men, the last wave by, crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage, rage against the dying of the light.Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn, too late, they grieved it on its way,
Do not go gentle into that good night.Grave men, near death, who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage, rage against the dying of the light.And you, my father, there on the sad height,
Curse, bless, me now with your fierce tears, I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage, rage against the dying of the light.
自分の脳内翻訳は、こちらで紹介されていた松浦暢編『映画で英詩入門』(平凡社、2004)の鈴木洋美訳に近いのだけど、探してみると新潮社『世界詩人全集19』所収の松田幸雄訳を紹介してくれているページもあり(こちら)、さらに個人が各々の意訳を紹介していたりもして、それらを読み比べるのが面白かったです。
私はこの詩を読んで、『うつろうもの』で無茶苦茶印象的だったSAROさんのタップを思い出したのでした。凄まじくエネルギッシュで動的な出来事である、死。のイメージ。
でも、モリさん自身のステイトメントの中には、この時期の作品に感じるのは「静けさ」である、みたいな記述があって、それは確かにそうで、でもその静けさは動的なものを内包した静であるのかもしれないな、とか、いろいろ思いながら眺めて、なんか、しみじみ良かったな。
余談ですが、ディラン・トマスの朗読もめちゃ格好良いっす。
作品と自分の感受性が戯れるような時間に加えて、自分の中のいろいろなものと結びついて新たな発見があったり、知らなかった良いものを知ったりする楽しさを久しぶりに味わった展示でした。
満足!
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