intro『ハワイの地平線、テキサスの水平線』をシアターZOOで観てきました。

2018年に上演された『こっちにくるとあの景色がみえるわ』から6年ぶり。お帰り!intro!

『ハワイの地平線、テキサスの水平線』の特設サイトからあらすじを引用すると

109歳という大往生でスエ子がこの世を去った。最期は穏やかだったと、施設の職員は言った。スエ子の娘、キヨ子も昨年亡くなった。キヨ子の夫・孝一郎は健在だが、夢の世界一周の旅に出ている。孫の里子は、考えている。ひょっとして、私が喪主?……え、ちょっと、やってみたい。よし、喪主やります!と決意したのも束の間、我こそが喪主!という人たちが次々現れるが……。なにそれどういうこと

というお話。

冒頭の里子(のしろゆうこさん)一家のやり取りは、その独特のリズムについていけずにポカーンと見てしまったのだけど、里子のいとこである百合子(佐藤剛さん)が出てきてからのドライブ感がもの凄く。

そこから町内会の爺様(宮沢りえ蔵さん)に続き、最後はラスボス的な里子の姉・悦子(田中佐保子さん)の登場と、

もう嬉しくて手を叩きたくなる展開でした。笑った…。

のだけど、

笑える会話の応酬とは対照的に、それぞれが亡くなったスエ子の顔を見ようとドアの前に立つときだけ、スッと照明が落ち空気感が変わるのですね。

あれ、対人的な態度としては決して出てこない、死と向き合うときのそれぞれの心のうちを思わせる感じで好きだったな。

そして葬儀に対してあっさりめの態度を貫く里子の、そうせざるを得ない理由が「わからなさ」として語られるシーンで、思わず涙。

もちろん「わからなさ」はみんなが抱いているものだけど、それの表出の仕方もやっぱり人それぞれで。

私自身の話で言えば、悦子のようにはまだ腹を括れないし、どちらかというと心の対処として里子に似た受け止め方をしていると自覚しているので、なおさら泣けたのかもしれません。

それにしても

『こっちにくるとあの景色がみえるわ』でも書いているけど、佐藤剛さんが体現する中年以降の女性のふてぶてしさって最高ですね。もうずっと見ていたくなるもんな。

久々のintro、大満足の観劇でありました。

(編)

 

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