石井裕也監督『月』をシアターキノで。

きれいごとだけど、人が持ち続けなければならない「善」の、きれいごとじゃないことを前にしたときの弱さが怖くなる…。

のだけど、

公式サイトの岩井志麻子さんの「きれいごとの何が悪い。事実の追求や真実の究明より、きれいごとをいかに事実や真実に近づけられるか、そこに懸命になることが生きることであり、そのきれいごとを信じられるのが人間である。」というコメントにハッとしました。

こんな風に言える人間になりたい…涙。

あと「才能」について、目に見える評価がついて初めて意味を見出される定義の仕方、じゃない描き方があっても良かったのではと。

結局その価値観しかなかったら、意味に囚われたまま、「ただ存在する」こと、「ただそれをしたい」ことを心から肯定しづらくなるんじゃないのかな。本作の持つ揺れが、逆にリアルだなとも思うのですが。

あと現実問題として、強制的に選別の場に立たされ、凄まじい心の破壊を受けた職員の方の、その後を思わずにいられない…。どんなにケアしたってケアしきれない凄まじい暴力…

昨夜は60周年を迎えるナショナル・シアター(NT)による「オセロー」の無料配信を。

あの音や気配の醸し出すものを劇場で体感してみたい…!無茶苦茶格好良くて、見入りました。

シェイクスピアは英語音声だとまだまだよくわからないのですが、それでも日本語で観るのとは違う面白さがある。「ここはどんな風に訳されているんだろう?」と調べるのも楽しいです。

そのうちAudibleでシェイクスピアの作品(英語版)も買ってみよう。最初はやっぱハムレットかなー

(編)

 

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